日本のワイン売り場では、様々な国や地域のワインを見かけることができますが、世界の主要なワイン生産国を訪れると、9割方その国や地域のワインで占められている光景にしばしば出合います。特に、固有のワイン用ブドウ品種が豊富で、生産規模も大きなスペインでは顕著です。究極の適地適種、地産地消ですね。ボデガス・ボルサオは、地元アラゴン州の原産品種であるガルナッチャ(グルナッシュ)にこだわり、ワイン造りを行っています。原産地のクローンにまでこだわって造られるワインを、ぜひお愉しみ下さい。
ボデガス・ボルサオとは
スペイン固有品種ガルナッチャ世界No.1の造り手を目指すワイナリー
ボデガス・ボルサオは、2001年、スペイン北東部アラゴン州カンポ・デ・ボルハに設立され、設立後わずか10余年で世界的評価を確立した気鋭のワイナリーです。
ボルサオは、カンポ・デ・ボルハのブドウ畑の約35%に相当する2430ヘクタール(東京ドーム520個に相当)の畑を所有。中でも特筆すべきは、ガルナッチャやマカベオなど地元原産の樹齢の高い古木を多く所有し、ワイン造りを行なっていることです。そして、ボルサオが最もユニークなのは、彼らのワインが、地元はもちろん国際レベルで愛されていることです。スペイン固有品種ガルナッチャ世界No.1の造り手を目指しているボデガ(ワイナリー)です。
ワイン産地について
スペイン、アラゴン州カンポ・デ・ボルハ
〜地元原産品種ガルナッチャにこだわり続ける産地〜
ボルサオの本拠地カンポ・デ・ボルハは、バルセロナから内陸へ約350km、スペイン北東部アラゴン州のワイン産地です。栽培面積の70%近くをガルナッチャが占めていることから「ガルナッチャ帝国」とも称され、ボディとアルコールのしっかりとした赤ワインの生産が95%を占める産地です。
ボルサオの畑は、高さ2315メートルのモンカヨ山のふもと、標高300〜800メートルに広がります。
真夏の日較差約25℃(日中約40℃、夜間約15℃)。さらに、最大風速44.5m/s(1954年)を記録したこともあるモンカヨ山からの吹き下ろしは、雲や湿気、そして虫までも吹き飛ばし畑を衛生的に保ってくれます。また、地下5〜7メートル、モンカヨ山の雪解けの水からなる地下水脈は、水脈を目指すブドウの木の根の成長を促し、干ばつから守ってくれ、低収量ながら凝縮したブドウを育んでくれます。
ワインの特長
スペイン アラゴン州発、
世界レベルで活躍する、凝縮感と複雑味。
ボルサオのワインは、チーフワインメーカーのホセ・ルイス・チュエカ・サンチョを中心に造られています。
モンカヨ山からの吹き下ろしと雪解け水を集めた地下水脈は、低収量ながら、凝縮した顆粒の小さなのブドウを育み、チュエカは、これらから単なる凝縮感だけでなくフレッシュさを引き出します。そして、このフレッシュさが、フィネスやエレガンスを感じさせる複雑味のあるワインとなります。彼らのワインは、太陽の恵みによる凝縮感とフィネスを併せ持つワインです。
彼らのトップワインである「トレス・ピコス」は、世界で最も影響力のあるワイン評論家の一人ロバート・パーカーが創刊した『ワイン・アドヴォケイト(※1)』により、13年連続90点以上(最高97点)を獲得し続けています。また、同2014年ヴィンテージは、アメリカの専門雑誌『ワインスペクテイター(※2)』の、1988年から続く人気企画‘年間TOP100ワイン’にも選出されました。
※1 100点法によるワインの評価。確かなテイスティング能力と、スポンサーを持たない中立の姿勢で評価される。それまでのワイン業界の常識を覆す衝撃があり、大きな影響を有する。
※2 その年の1万本以上のワインを審査員が試飲し、品質、価値、入手しやすさなどを考慮して厳選されます。選ばれたワインは、入手が困難になったり、価格が急騰することも。
(写真)ホセ・ルイス・チュエカ・サンチョ
ユニークな魅力
モダンスパニッシュ’ボルサオ’
伝統の味わいは、現代の美味しさへ。
近年、スペインワインは、‘モダンスパニッシュ’と形容される、果実味がより豊かで、比較的早い時期から楽しめるワインのタイプが増えてきました。
中でも、ボルサオは、豊かな果実味と適度な酸のバランスが心地よい、食事との相性のすばらしいワイン造りを行っています。
祖国の伝統品種を守り、継承し、現代的な美味しさを生む・・・中々真似のできないものです。
21世紀に入り、スペインワインの日本への輸入量は年々増え、日本人になじみ深い食材の多いスペイン料理も、私たちに身近な存在になってきています。スペインの太陽をたっぷり浴びて育ったブドウから造られたワインを気軽に愉しむなら、ボルサオがおすすめです。