世界でたったひとつのビールをつくってみませんか −ビールづくり体験教室−

2017.08.03

自分でつくったビールを飲んでみたい。ビール好きの方なら、一度はそんな夢を思い描いたことがあるのではないでしょうか。キリンビール横浜工場では、インストラクターの指導のもと、世界でたったひとつ、自分だけのビールをつくることができるイベント「ビールづくり体験教室」を定期的に開催していて、そんなビール好きの夢を叶えることができるのです。今回は、イベントに参加するという方に同行させてもらい、ビールづくり体験教室の魅力を探ってきました。

ビールづくりのいろはを学ぶ

ビールづくり体験教室は、ビールづくりに関する基本的な知識を学ぶ講座からはじまります。

ひと通り勉強した後は、自分たちがつくるビールの種類を選びます。
選べるビールのタイプは「ピルスナータイプ」「ボヘミアンピルスナータイプ」「赤タイプ」「黒タイプ」「ボックタイプ」と全部で5種類。
種類が多くて何をつくれば良いか迷ってしまいそうですが、講師がそれぞれのビアスタイルの特徴をわかりやすく説明してくれるので、ビールにあまり詳しくないという方でも安心です。

取材させていただいたグループでは、どの種類のビールをつくろうかと悩みながらも「ボヘミアンピルスナータイプ」に決定。

自分たちのつくるビールのタイプが決まったら早速実習室に移動します。
ここから本格的なビールづくり体験がはじまります。

ビールのレシピ

実習室に到着すると、各グループを担当するインストラクターが拍手であたたかく迎えてくれました。

エプロンに着替えて、作業を始める準備は万端。
はじめに、インストラクターからビールの製造工程とレシピについての説明をしてもらいます。

ビールにレシピ?と意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はビールにもそれぞれに決まったレシピが存在します。

使用する麦芽の量や、温度管理と時間調節など、おいしいビールをつくるために必要な情報が詰まった秘伝のレシピ。
残念ながら企業秘密のため今回はご紹介できませんが、みなさんもビールづくり体験教室に参加すれば、こんなに細かいレシピがあるのかときっと驚くはず。

ビールの旨味を引き出す、糖化工程

まずは麦芽をゆっくりと煮ることで、ビールづくりに欠かすことのできない糖分をつくる糖化工程です。
レシピ通りにお湯と麦芽を計量し、大きな寸胴鍋の中に投入。

タイマーと温度計で時間と温度を管理しながら、鍋をゆっくりとかき混ぜます。
麦芽を煮ることで醪(もろみ)つくり、麦芽に含まれるデンプンを糖化させていきます。

この作業が、実は大変。
普段家ではなかなか使うことの無い寸胴鍋をかき混ぜ続けることは、かなりの力仕事。全員で交代しながらゆっくりと鍋をかき混ぜます。

ビールづくりの醍醐味!「一番搾り麦汁」を試飲する

糖化工程が終わると、できあがった醪を濾過して麦汁を取り出します。
このとき最初に取り出した麦汁を「一番搾り麦汁」といい、同じ醪にお湯を足してさらに麦汁を取り出したものを「二番搾り麦汁」といいます。

ここで一度、自分たちのつくった「一番搾り麦汁」を各グループで試飲。

みなさん口々に「おいしい!」「甘い!」と、麦芽本来の旨味を感じることができる「一番搾り麦汁」に驚かれているようでした。

ビールの魂 ホップ添加式

麦汁の濾過工程が終わると、ホップの添加工程へと移ります。

ホップはビールの魂と呼ばれる程、ビールづくりにとっては欠かすことができない存在。
ホップに含まれる「ルプリン」は、ビール独特の華やかな香りと爽やかな苦みをもたらしてくれます。

今回はレシピに合う2種類のホップをブレンドしたペレットホップを使用します。

鍋の前にみなさんで整列して、「おいしいビールになりますように」と願いを込めて1番ホップを添加。

午前中のビールづくり工程は以上で終了。
参加者のみなさんはおいしいお昼ご飯を食べて、午後からの実習に備えます。

ビールづくりの過程を楽しむ

お昼ご飯を食べ終えると午後のビールづくり体験がはじまります。

ビールづくり体験もいよいよ大詰め。
おいしいビールをつくるためと思うと、疲れも感じずに作業ができるのだから不思議です。

麦汁煮沸工程、麦汁の糖分調整を経て、麦汁の清澄化を行います。
午前中に添加したホップを沈殿させ、濁りのない麦汁のみを取り出します。

ここでもう一度麦汁を試飲します。
午前中に試飲した「一番搾り麦汁」よりもビールに近い味。とみなさんがおっしゃるのもそのはず。
午前の最後にホップを添加したことで、ビール独特の華やかな香りと爽やかな苦みが感じられるようになっています。

次の工程では、清澄化した麦汁を冷却装置で冷やしていきます。
午前中の工程では、麦芽の糖分を引き出すために糖化工程が続いていましたが、今度はビールをつくる酵母に働いてもらう準備をします。

麦汁の温度が高いままだと、ビールの中の酵母が元気に活動することができないので、きちんと麦汁を冷やしてから酵母を添加することが大事なんです。

最後に、冷却した麦汁に酵母を添加して本日のビールづくりの作業は終了。

ビールづくりを終えたら

実習を終えて会場に戻ってくると、みなさん早くビールが飲みたくてうずうずされている様子。
実はこのイベントは、実習の最後に自分の好きなビールを3杯まで飲むことができるという特典付き。

まずは乾杯用のビールに「一番搾り」を手に取り、参加された全員でカンパイ!
働いたあとのビールはやっぱり格別ですよね。みなさんとてもおいしそうに一番搾りを飲まれていました。

自分たちでつくったビールの味は格別

ビールづくり体験教室から6週間後。
世界にたったひとつ、自分たちだけのビールが届きました。

ビールづくり体験教室のオリジナルラベルで届いたこのビール。
自分たちでつくったビールは1人でじっくり味わうのも良いですが、友人を呼んだホームパーティで振る舞うのも良いかもしれません。
楽しみ方は人それぞれですが、自分でつくったビールの味は格別に美味しいはずです。

ビール好きの夢を叶えてくれるイベント「ビールづくり体験教室」。
あなたも世界にひとつだけのビールをつくってみませんか?