オーガニックワイン『メスタ』とヴィーガン料理の体に優しいマリアージュ

2020.02.13

環境負荷や健康に対する関心の高まりもあって、注目が集まっているオーガニックワイン。今回は、農薬を使用しないのはもちろんのこと、ブドウ栽培の水も最低限しか使わずに生産されているサスティナブルなオーガニックワイン『メスタ』をご紹介します。

ブドウ本来の果実味が楽しめる『メスタ』と一緒に味わうのは、野菜を中心に作られるヴィーガン料理。野菜のみを使用した料理の世界大会『The Vegetarian Chance』(イタリア・ミラノで開催)でトップ8に輝いた実績を持つシェフ・杉浦仁志さんに、オーガニックワインに合わせた料理を作っていただきました。

オーガニックワインとヴィーガン料理の、ナチュラルで奥深いマリアージュをお楽しみください!

プロフィール

杉浦仁志

日本国内数々のレストランで研鑽を重ねた後、2009年渡米。全米で約50店のスペシャリティーレストランを 展開するパティナ・レストラン・グループの創業者兼シェフ、ジョアキム・スプリチャル氏のもと、感性を磨き技術を習得する。
2017年5月、イタリア・ミラノで開催された、野菜のみを使用した料理の世界大会”The Vegetarian Chance“で 世界の名だたる料理人応募者の中からトップ8シェフに選ばれ、2019年、”ベジタリアンアワード2019”(日本)で料理人賞を受賞。同年ONODERA GROUPのExecutive Chef就任。更に活躍の場を拡げている。
HP: https://www.hitoshisugiura.com/

プロフィール

澁田翔平

大学卒業後、2010年メルシャンに入社。
中四国エリアのスーパーマーケットや酒販店などでメルシャン商品の営業活動に従事。2015年にメルシャン欧州事務所の駐在員としてパリに赴任、ヨーロッパを中心に新規生産者探索や品質管理を含めたワインの輸入業務全般に携わる。2019年に帰任、マーケティング部として輸入ワインのマーケティング業務に携わり、2019年10月よりメスタをはじめとしたスペイン、イタリア、南フランスのブランドマネージャーに。

オーガニックワインとヴィーガン料理の共通点

—オーガニックワインとは、どのようなワインなのでしょう?一般的なワインとの違いなどがあれば教えてください。

澁田:オーガニックワインと一般のワインの違いには、まずブドウの栽培方法があげられます。大前提として、使用するブドウの栽培に農薬や化学肥料が使われていないこと。もちろん、遺伝子組み替え品種の使用も認められていません。
そうした方法で3年以上、作り続けられているブドウを使用しなければならないという規定があります。

—決められた栽培方法で3年間ブドウを作り続けて、そこでようやくスタート地点に立てるんですね。

澁田:そうなんです。さらに、醸造の過程でも規定量以上の酸化防止剤を使用しないことや、使用できる添加物や醸造技術などのルールが定められています。
これらの規定をクリアしたものだけが、オーガニックワインとしての認証を受けることができます。

—そうした環境で作られることによって、味わいや香りには、どのような特徴があらわれるのでしょうか?

澁田:味わいや香りについては、一概に「オーガニックワインだから◯◯です」とは言えないんです。そこは、生産地や生産者、ブドウ品種によって変わる部分なので。
ただ、ひとつ言えるとすれば、オーガニックワイン生産者の大部分は「ブドウ本来の良さを引き出したい」という考えを持っているので、ブドウのピュアな果実味が感じられるものが多いのは確かです。

—そもそもオーガニックワインは、どういった背景で誕生したものなんですか?農薬や酸化防止剤を使用したワインに対する反発から生まれたということでしょうか?

澁田:はい。ただ、もともとワイン作りがはじまった頃って、農薬や酸化防止剤はなくて、すべてオーガニックで作られていたんですよ。

—つまり、オーガニックワインというのは、新しく出てきたものというよりも、本来の姿に戻ったワインという捉え方が正しいんですね。

澁田:そういうことですね。ワイン作りの歴史の中で化学が発達し、農薬の誕生によってブドウが病気にかかりにくくなった。だけど、もう一度、ブドウ本来の味わいを活かしたワインを作ろうと考える人が増えてきたというのが、オーガニックワインが出てきたひとつの背景です。
もうひとつは、環境に対する問題意識です。ワイン作りというのは畑があってこその仕事なので、農薬によって土壌が悪化してしまうと未来が失われてしまうんです。だから、オーガニックな作りに戻す考えが生まれてきたという背景もあります。

—「今が良ければいい」ではなく、持続可能なワイン作りをしていこうと。

澁田:特に今回用意した『メスタ』の作り手たちは、サスティナビリティを強く意識しています。
これからも長くワインを作っていくために選んだ方法が、環境に対する負荷が少ないオーガニックな製法だったということなんです。

—「環境に対する負荷が少ない」という意味では、ヴィーガンという考え方にも共通する部分がありますよね。

杉浦:そうですね。ヴィーガンという考えはもともと動物愛護の精神からはじまっていて、プラントベース(植物由来の食品を中心とした食事法)というのが基本姿勢になっています。
地球の未来に責任を持ち、持続可能な食料供給を目指すという意味では、オーガニックワインと共通する部分がありますよね。

澁田:そう思います。

杉浦:歴史を遡ると食材でもワインでも、効率的な生産のために農薬を使って土壌を悪化させたのは、すべて人間が行ってきたことなんです。だからこそ、人間が責任を持って再生させなきゃいけないというのは、世界的に農業関係者の関心事項となっています。

ヴィーガンメニューは“嘘がつけない料理”

—今日はメスタのワインを赤、白、ロゼの3種類用意して、それぞれに合わせるヴィーガン料理を杉浦さんに作っていただきました。

澁田:どんなペアリングになるか楽しみですね!

—では、まず『メスタ ベルデホ オーガニック』からいただきましょうか。こちらは、どのような特徴のワインなのでしょうか?

澁田:これは、スペインのベルデホという品種のブドウを100%使用した白ワインです。パンチが効いているとか、派手さがあるタイプではなく、純粋にブドウ本来のみずみずしい味わいが楽しめる1本だと思います。

—これに対して、杉浦さんは『きゅうりとアボカドのグリーンハーベスト』というメニューを作ってくださいました。

杉浦:澁田さんがおっしゃったように、『メスタ ベルデホ オーガニック』はナチュラルな味わいのワインだったので、そこの良さを引き出す料理を考えました。

—早速、いただきましょう。

澁田:あー、これは美味しい。みずみずしい味わいが、ナチュラルなワインと合いますね。シンプルな食材の組み合わせだけど、ピクルスと生姜が入ることで味に深みが出るし、爽やかな香りもいいですね。

杉浦:ワインを飲むときって、まずは香りを楽しみますよね。そして、口に含んで、舌と口の中で味わって、最後に飲み込むと香りが鼻に抜けていく。
『メスタ ベルデホ オーガニック』を飲んだとき、ナチュラルさと同時にミネラルを感じたんです。なので、料理にディルの香りを足すことによって、爽快感と自然観を繋げようと思って作りました。

澁田:『メスタ ベルデホ オーガニック』は、まさにミネラルを感じるワインなので、そこまで感じとって料理を作ってくださったのはとても嬉しいです。

杉浦:そう言ってもらえると、僕もすごく嬉しいです(笑)。

杉浦:ヴィーガン料理に対して、味が素っ気ないといった先入観を持っている人って多いと思うんです。

—確かに、味付けもシンプルといったイメージはあります。

杉浦:「美味い料理を出してくれ」って言われたとき、料理人としてはお肉を出すのが最も無難なんです。いいお肉って、焼くだけで美味しいですから。
だけど、野菜で美味しいと思ってもらうのって、結構、大変なんですよね。素材のことをきちんと理解して、相性のいい組み合わせが計算できないと作れないので。

杉浦:だから、ヴィーガンメニューって嘘がつけない料理なんですよ。

—余計なものを入れられないから、誤魔化せないってことですね。

杉浦:そうなんです。旨味が足りてなければ、動物性の出汁を加えることで料理としては完成するんですけど、ヴィーガン料理だとそうはいきません。だから、素材の組み合わせを考え、調理方法を考えないと、美味しい料理にはならないんです。

澁田:そうですよね。このワインは、ナチュラルでみずみずしいという特徴の他に、酸味や苦味の要素もしっかり感じ取れるんです。それと、野菜のちょっとした苦味とか、酸味のある味付けがすごくマッチしていますよね。

杉浦:食事とワインって常に調和が大切なんです。『メスタオーガニック ベルデホ』は、野菜そのものの潜在能力を引き出してくれるワインですね。

体をケアするための食事としてのヴィーガン料理

—続いては『メスタ テンプラニーリョ ロゼ オーガニック』をいただきましょう。こちらはロゼワインですね。

澁田:はい。『メスタ テンプラニーリョ ロゼ オーガニック』は、一言でいうとチャーミングなワインだと思います。香りや味わいは、イチゴやサクランボなどの赤い果実を感じさせます。果実そのもののジューシーさが味わえるロゼワインですね。

—これに合わせて作っていただいたのは、『紫キャベツとミントのマリネ 芳ばしいウォールナッツと共に』というメニューです。こちらは、どのようなアプローチで作られたのでしょうか?

杉浦:『メスタ テンプラニーリョ ロゼ オーガニック』は、ボディ感がライトでありながら、しっかり果実の味わいがあるワインという印象だったので、それに合うようにワインビネガーを使って味付けをしました。素材を合わせることで、ワインと料理がぶつからないように仕上げています。

澁田:紫キャベツが太めにカットされているので、食感がシャキシャキしていて食べ応えがありますね。それとワインビネガーの酸味が効いていて、シンプルにワインが飲みたくなります(笑)。

杉浦:よかった、よかった(笑)。このワインの後味は、ちょっとビターな感じとすごく合うなって思ってウォールナッツも加えています。
野菜だけの料理に物足りなさを感じるのって、味わいが単調だからだと思うんです。だから、味に厚みを持たせるため素材としてナッツやアボカドはとても重宝するんですよね。油分を与えたり、食感を変えることができるので。

—確かにシンプルなだけに、野菜の素材感や食感の違いは鮮明に感じられますね。こうやって余計なものを削ぎ落としたメニューを食べると、個々の食材に意識が向きますし、それぞれの味わいが具体的になるなと思いました。

杉浦:先ほども話したように、ヴィーガン料理というのは動物愛護の考えが基になっているんですけど、最近では純粋に健康にいいということで取り入れる方も増えています。
例えば、ヴィーガン料理では精製された砂糖は使いません。この料理でも、てんさい糖を使っています。

—人工的な食材を使用していないから、体にとっても優しいんですね。そういった見方をすると、難しそうなイメージがあるヴィーガン料理も近づきやすい存在になりますね。

杉浦:そうなんですよ。自分の体をケアするための食事というふうに考えてもらえれば、国際的な食文化の理解とともに、食材の美味しさっていうのも、もっと楽しんでもらえるんじゃないかなと思っています。

自然由来の優しいマリアージュ

―最後に赤ワイン『メスタ テンプラニーリョ オーガニック』をいただきましょう。こちらは、どのようなワインでしょうか?

澁田:ロゼと比べて、もう少し黒い果実が感じられるワインだと思います。カシスのような味わいですね。白やロゼと共通しているのは、ピュアでジューシーなワインという点です。
それと、後味に程よい苦味とタンニンの渋みが感じられます。それがブドウの酸味や果実味とバランスよく備わっているので、飲んでいて疲れないワインだと思います。

—こちらに合わせて作っていただいたのが『ローストビーツ ゴジベリーとソース』というメニューです。

杉浦:『メスタ テンプラニーリョ オーガニック』には、2つの要素を感じました。ひとつは果実味、もうひとつはスパイスの要素です。
そこにどんな料理を合わせるかを考えたときに、思い当たったのがゴジベリーとレーズンでした。熟成された果実をワインとミックスさせてソースを作り、それによって味を調和させました。アクセントとしてシナモンを加えることで、ワインの味わいをより膨らませるようにしています。

澁田:これは、赤ワインに負けないというか、お互いが調和するような味の深みがありますね。ワインの要素と料理の要素がマッチしていて、すごく美味しいです!

杉浦:ありがとうございます!そう言ってもらえると嬉しいです(笑)。
味の重厚感がありますよね。本当にワインを楽しむための料理になっていると思います。

杉浦:ビーツは、ワインに土の要素を感じたので選びました。その特徴に合わせて根野菜を使おうと思って。
根野菜を調理する際は火力を一気に上げず、じっくりと火を通すことで甘みがグッと引き立ってくるんです。今回は170℃のオーブンで1時間ほど火を通しています。

澁田:じっくり火を通すことで、野菜本来の甘みが出てくるんですね。土の要素もすごく感じるし、ワインも野菜も自然からくるものなので、非常にいいマリアージュをしていますね。

目の前の売り上げより、持続可能なワイン作りを目指して

澁田:メスタが作られているのは、マドリードの南に位置するボデガス・フォンタナというワイナリーなんです。ここはすごく乾燥している土地で、ブドウ作りには向いているんですけど、水が少なくてすごく貴重な資源なんですよね。
そういう土地でワインを作って、売り上げを伸ばそうと思うと、灌漑をして、たくさんのブドウを育てて、収穫を増やそうと考えるところが大半なんです。

—そうなりますよね。

澁田:だけど、彼らは水という資源を大事にしなきゃいけないと考えているので、灌漑は最低限にとどめて、たとえ売り上げが右肩上がりにならなくてもサスティナブルなワイン作りを続けているんです。

—目の前の売り上げよりも、持続可能なワイン作りを目指していると。

澁田:そうなんです。だけど、ブドウって水が少ないと味が凝縮されるので、実は理にかなっているんですよね。だから、たくさんの量は収穫できないけど、ものすごくクオリティが高いワインが作られているんです。

杉浦:本当にクオリティが高いですよね。環境負荷を考慮した作り方にもすごく感銘を受けました。

澁田:彼らは土地の良さを反映させたワインを作り、それを飲む人が手に取りやすい価格で販売するということを徹底しているんですよね。

―とはいえ、オーガニックで丁寧に作られたワインだから、価格もそれなりに高いんじゃないですか?

澁田:市場価格で1000円前後くらいですね。

—想像していたよりもずっと安い!

澁田:それはもう生産者側の努力なんですよ。本来だったらもっと高い価格になってもおかしくないんですけど、少しでも多くの人に届けたいという彼らの強い想いがあって、この価格がキープされているんです。

杉浦:いやぁ、素晴らしいですね。

—きっと、環境負荷が少ない方法で作っているという姿勢に共感する人たちによって支えられているんでしょうね。

澁田:そうだと思います。だから、私たちとしてもワイン作りに向き合う彼らの姿勢も含めて、メスタの魅力を伝えていけたらなと思っています。

杉浦さん考案!オーガニックワイン『メスタ』と味わうヴィーガン料理

【きゅうりとアボカドのグリーンハーベスト】

<材料>

  • アボカド:1個
  • きゅうり:2本
  • レモン果汁:1/2個分
  • メープルシロップ:小さじ1/2
  • ワインビネガー:大さじ2
  • オリーブオイル:大さじ3
  • アボカド:1/2
  • ディル:適量
  • ピクルス(きゅうり):小1本
  • 緑豆(枝豆):適量
  • (お好み)生姜のすりおろし:少々

<作り方>

@アボカドは皮をむき、乱切りに、きゅうり1と1/2本を乱切りにします(きゅうり1/2はドレッシング用に残しておく)。盛り付け用のピクルスも刻んでおきます。

A枝豆を塩ゆでし、皮からむいておきます。

Bアボカド、きゅうり、枝豆を塩とオリーブオイルで和えます。

Cきゅうり1/2をすりおろし、レモン果汁、メープルシロップ、ワインビネガー、オリーブオイルと混ぜ、ドレッシングを作ります。お好みで生姜のすりおろしを入れても◎。

Dドレッシングをお皿の下に敷き、[3]の野菜を盛り付け、刻んだピクルスとディルを散らしたら完成です。

【紫キャベツとミントのマリネ 芳ばしいウォールナッツと共に】

<材料(2人分)>

  • 紫キャベツ:1/4
  • 甜菜糖:大さじ3
  • 赤ワインビネガー:大さじ4〜5
  • オリーブオイル:大さじ2
  • 塩:少々
  • ミント:適量
  • くるみ:適量

<作り方>

@紫キャベツを千切りにします。食べごたえを残すために、細くしすぎないのがポイントです。

A甜菜糖、赤ワインビネガー、オリーブオイルで和えます。ミント、くるみも混ぜ合わせます。

B塩で味を整えます。

C汁気を軽くしぼり、盛り付けたら完成です。

【ローストビーツ ゴジベリーとソース】

<材料>

  • ビーツ:1玉
  • ペコロス:2個 ※ ない場合は玉ねぎ1/4でもOKです
  • シナモンパウダー:適量
  • ゴジベリー(クコの実):大さじ1
  • 赤玉葱:1玉
  • テンプラリーニョ(赤ワイン):グラス1杯分
  • レーズン:大さじ2
  • マランサス:ひとつまみ

<作り方>

@赤玉ねぎとビーツを1つずつ紙に包んで170℃のオーブンで1時間ローストします。ゆっくり加熱することで甘みが出ます。

A赤ワイン、レーズン、ゴジベリーを鍋に入れ沸かし、アルコールを飛ばします。

B[2]と赤玉ねぎをミキサーに入れ撹拌します。(ミキサーが耐熱ではない場合は粗熱をとってから入れます)

C[3]にシナモンを入れ、混ぜたらソースは完成。

Dビーツを食べやすい大きさにカットします。

E[3]を皿の下に敷き、[4]のビーツを並べます。上にスライスしたペコロス、マランサスを散らし完成です。

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