料理研究家りな助さん考案!手軽な常備おつまみとグランドキリンでちょっと特別なおうち飲み
2020.01.16
お正月休みが明け、日常の慌ただしさが戻る時節。年末年始にたくさんお酒や食事を楽しんで、疲れを感じている方もいるかもしれませんね。
年末年始のスペシャル感よりは、もう少し日常的で気軽な晩酌を楽しみたい、そんな方におすすめしたいのが、仕込みだけしておけば、いつでもおうち飲みが楽しめる“常備おつまみ”。
簡単で、作り置きができて、もちろん美味しい。そんな“常備おつまみ”を、家でもよくビールを飲むという料理研究家の河瀬璃菜(りな助)さんに紹介していただきました。
一緒に飲むのは、いつもと少し違うビールを飲みたいときにぴったりなグランドキリン。軽やかでフルーティーな「グランドキリン ホワイトエール」、ホップの香りと苦味が楽しめる、「グランドキリン IPA」、キレと奥深さが特徴の「グランドキリン IPL」という、タイプが違う3種類のクラフトビールです。
プロフィール
河瀬璃菜(りな助)
料理研究家 / フードコーディネーター。1988年5月8日生まれ。福岡県出身。
レシピ開発、商品開発、食の企画やコンサル、レシピ動画制作、企画執筆、編集、イベントメディア出演、料理教室など食に纏わる様々な活動をしている。SONY XperiaのCMや本麒麟の広告への出演などその活動は多岐にわたる。近年では地方を元気にするための6次化商品の開発に力を入れている。著書「ジャーではじめるデトックスウォーター」「決定版節約冷凍レシピ」「発酵いらずのちぎりパン」 など。
サウナ好きが高じて、湯乃泉という神施設にて毎月コラボメニューを考案。詳細はコチラ
Blog: http://lineblog.me/linakawase/
Twitter: https://twitter.com/linasuke0508
仕込んで待つだけの簡単おつまみ!
りな助:私は家でお酒を飲むことも多いんですけど、仕事が終わって疲れて帰ってきた状態で料理を作るのって大変じゃないですか。
—そうですね。晩酌はしたいけど、帰ってきてからキッチンに立つのはちょっと億劫ですよね。
りな助:そうなんですよ。特に今の季節は、年末年始に気合いを入れてお料理をしてきて、手のこんだ料理をする気力が出ないという方もいらっしゃると思うんです。
でも、せっかくお酒を飲むなら、美味しいおつまみが欲しいじゃないですか。なので、今日はとにかく手軽に、それでいて晩酌が楽しくなるようなメニューを考えました!
簡単に作り置きしておけるとか、炊飯器のスイッチを押しておけばお風呂に入っている間に完成するとか、そういうメニューです。
—お風呂に入ってる間に、おつまみができるなんて夢のような話ですね(笑)。
りな助:お風呂上がりのビールは格別ですからね(笑)。料理っていうと、ずっとキッチンに張り付いていなきゃいけないってイメージがあると思うんです。鍋に火にかけて、ずっと見てなきゃいけないみたいな。
—そうですね。料理をするためには一定の時間を確保しなきゃならないし、それが無理ならお惣菜でも買ってこようって考えちゃいます。
りな助:それが料理を嫌いになってしまう一因でもあると思うので、今回は下ごしらえだけして、あとは冷蔵庫入れておくだけとか、炊飯器入れとけばできるというようなレシピを3品紹介します!
調理工程の意味を知っていれば、料理の味も変わってくる!
りな助:まずは『やみつき簡単!塩もみゆず塩大根』というメニューです。
お正月に使った大根やゆずが余っていたりしませんか?そういう食材をおつまみにするのは、無駄がなくていいし、わざわざ買い物に行かなくてもいいので楽だなと思って考えました。
—確かに、大根もゆずもお正月にちょっと使って余りがちですよね。
りな助:それを使って作り置きできるおつまみにしちゃいましょう。
最初に食べやすい大きさに切った大根を塩もみします。これをしっかりやっておくと、大根の辛味と水分が抜けて、味がしっかり染み込みます。
—塩もみって味をつけるためだけじゃなくて、大根の辛さとか水分を抜くという意味合いもあるんですね。
りな助:そうなんですよ。大根は水分が多いので、しっかり抜いてあげると、味なじみがよくなるんです。
—料理番組でも塩もみって工程はよく見ますけど、それをやる意味まではあまり説明されないじゃないですか。
だけど、今みたいに、「辛味と水分を抜いて、味が染み込みやすくするため」って端折らずに説明してもらうと、食べたときの味わいも変わりそう。
りな助:そうですね。レシピ通りに進めれば決まった味になるんですけど、ひとつひとつの工程の意味を理解しているのと、していないのでは味の感じ方も違ってくると思います。
りな助:塩もみして水分を切ったら、ゆずを搾った果汁と細かく刻んだ果皮、ハチミツと塩を一緒に密封できる袋に入れます。あとは、この中で揉み込んで、空気を抜いた状態で密封して、冷蔵庫に入れておくだけです。
浅漬けが好きなら、1、2時間で十分です。シャキシャキとした歯ごたえも残るので、美味しいですよ!
りな助:クタッとした食感が好きだったら、一晩くらい寝かせておくといいと思います。保存も効くので、このまま冷蔵庫に入れておけば、4〜5日持ちます。いつでもすぐに食べられる常備おつまみになりますよ。
—こういう1品が冷蔵庫の中にあると、それだけでちょっと嬉しいし、晩酌が楽しみになりますよね!
調味料の中身を因数分解すると、意外な一面が見えてくる!
りな助:続いては、『炊飯器で作るスパイシースペアリブ』というメニューです!
—スペアリブって美味しいんですけど、調理するとなると、ちょっと構えちゃいますね。「自分に調理できるんだろうか?」って。
りな助:今回は、味付けも調理もすごく簡単なレシピなので、安心してもらって大丈夫です。味付けには、焼肉のたれを使います。
—焼肉のたれ…ですか?
りな助:焼肉のたれって、実はかなり万能なんですよ。要するに合わせ調味料なので。
私、調味料を因数分解するのが好きなんですけど、焼肉のたれには、醤油とか砂糖、みりん、モノによってはフルーツ系の食材が入ってたりするじゃないですか。
それって、ひとつひとつ見ていくと、どれもスペアリブを調理するときによく使われる調味料なんですよ。
—なるほど!焼肉のたれの中身を因数分解すると、それぞれスペアリブと相性のいい調味料が詰まっていると。
りな助:そうなんですよ。そうやって、調味料を因数分解していくと、意外に思える組み合わせでも相性がピッタリだったりするんですよね。
ポン酢なんかも、お酢と醤油と出汁系のものが入っているので、そう考えると、南蛮漬けを作るときの調味料と一緒だよなとかって。
—同じ調味料を使う料理に転用できるってことなんですね。それは面白いなぁ。
りな助:そうやって置き換えられる調味料ってたくさんあるんですよ。「これひとつあれば、細々と調味料を揃えなくても作れるじゃん!」みたいな。
—それを「何にでも合います!」って言われるんじゃなくて、「これが合うのは、こういう理屈です」って理論的に説明してもらえると、すごく納得感がありますね。
りな助:スペアリブは炊飯器だけでも火が通るんですけど、先に表面を焼いておくと香ばしさが加わって、より美味しくなります。
—あぁ、食欲をそそる、いい香り。肉を焼いている様はシンプルにお腹が減りますね(笑)。
りな助:ですよね(笑)。表面を焼いたら、焼肉のたれを入れた炊飯器に入れて、炊飯ボタンを押すだけです。今回はビールに合うスパイシーな味付けにしたいので、五香粉も入れましょう。
―五香粉って何ですか?
りな助:中華料理でよく使われるスパイスですね。八角や花椒など5種類のスパイスがミックスされたものなんですけど、これもひとつひとつ揃えるのは大変なので、私はよくこれを使っています。
—スーパーでも売っているものですか?
りな助:もちろん!普通にスーパーでも買えますよ。これを炊飯器の中に入れて、あとはボタンを押して待つだけです。
これだけやってお風呂にでも入っていれば、上がる頃にはできたてのスペアリブとキンキンに冷えたビールが楽しめます(笑)。
おうち飲みなら、味付けも食べ方のアレンジも自由自在!
りな助:私は、レシピを考えるときに、再現性、実用性、意外性という3つを大事にしています。だから、さっきの五香粉もそうなんですけど、基本的にはスーパーで買える材料だけを使うようにしています。
そうじゃないと、再現性も実用性もないレシピになってしまうので。その上で、意外性があるレシピをつくるというスタンスです。
—「〇〇産の食材を揃えましょう」とか言われちゃうと、いきなりつまずいちゃいますもんね。
りな助:作ってみたいと思っても、「その材料どこに売ってんの?」ってなっちゃうと、準備の段階で作る気がなくなっちゃうじゃないですか。
なので、次のメニュー『マグロの味噌漬け』に使う、マグロと味噌も近くのスーパーで買ってきたものです(笑)。
—そういうハードルの低さは、本当にありがたいです(笑)。
りな助:最初にマグロの臭みを消すために塩を振り、浮いてきた水分を拭き取ります。そして、密封できる袋に、味噌とみりん、あとはすりおろしたにんにくを入れて、もみ込みます。
—こうやって袋の中でやると、そのまま冷蔵庫に入れておけるし、手も汚れなくていいですね。
りな助:そういう細かい面倒くささで料理が嫌になっちゃう人っているんですよね。だから、なるべく合理的にやりたいなってことはいつも考えてます。
りな助:今回はビールとの相性を考えて、少しガッツリした味付けにするためにニンニクを入れましたけど、さっぱりさせたければ生姜に代えてもいいし、辛いのが好きだったらコチュジャンを入れても美味しいと思います。
—そこを変えるだけで、ずいぶんと違う印象のおつまみになりそうですね。
りな助:そうですね。そのときの気分や、一緒に飲むお酒に合わせて代えてもいいと思います。
あとは、密閉袋の空気をしっかり抜いて、冷蔵庫の中でしばらく漬けておけば完成です。一晩くらい寝かせておくと、グッと味が染み込むと思います。
そのまま切って食べても美味しいですし、味噌を少し拭き取ってあげて表面だけ焼いても、また違った味わいが楽しめます。
—焼いたのも美味しそう〜。半分は生で、半分は炙るみたいな贅沢な食べ方もできちゃうわけですね(笑)。
りな助:それも、おうち飲みならではの楽しみ方ですよね(笑)。あとは、お茶漬けにのせて、シメご飯にするのも最高です!
—わぁー!味噌漬けマグロのお茶漬けは、絶対に美味しい!
簡単レシピで晩酌が一味も二味も変わる!
—今回はグランドキリンに合わせたおつまみを作っていただいたので、ブランド担当を務める鈴木雄介にも参加してもらっています。
鈴木:よろしくお願いします!
—では、さっそく『やみつき簡単!塩もみゆず塩大根』から食べていきましょうか。こちらは「グランドキリン ホワイトエール」と合わせて作ってもらいました。
りな助:どうぞ、どうぞ。
鈴木:あー、めちゃくちゃ美味しい〜(笑)。調理中に話を聞いていましたけど、確かに大根の辛味が抜けて、味がぎゅっと染み込んでいますね。
りな助:わー、よかった!
鈴木:ホワイトエールって小麦を使ったタイプのビールなんですけど、これと合わせることで大根の塩味がまろやかになるんですよ。だから、口当たりがすごくいいですね。塩味が大根とビールの接着剤になっているというか。
りな助:おぉ! さすが、表現が豊かですね!
鈴木:ビールを飲んだ後に、ふと鼻から抜けていく“戻り香”というのがあるんですけど、ホワイトエールのマスカットのような香りと、柚子の柑橘系の香りがすごくマッチするので、余韻もすごく爽やかに残りますね。
りな助:これに山椒をかけると、またホワイトエールのフルーティーさが際立ってきて、美味しい組み合わせになると思います。
鈴木:調理を見させてもらっていたので、余計に味わい深いですね。
—続いては、『炊飯器で作るスパイシースペアリブ』をいただきましょう。こちらは、「グランドキリン IPA」に合わせて作っていただきました。
鈴木:では、いただきます。
りな助:これはもう、思いっきりかぶりついてください(笑)。
鈴木:あー、これはすっごいな。
鈴木:まず、食感がホロッホロッですね。
りな助:本当にただ炊飯器で、炊飯しただけなんですけどね。柔らかいですよね。
鈴木:柔らかいし、骨離れがすごくいい。スペアリブって、筋張っていると固い部分があったりするじゃないですか。これは全部が柔らかくて、本当に感動しました。
それと、焼肉のたれ感がまったくないですね。言われなきゃわからないと思います。
りな助:そうなんですよ。何も知らずに食べたら、すごく手の込んだ料理だと錯覚しますよね(笑)。
—IPAとの相性はどうですか?
鈴木:あぁー…。今ちょっと忘れてました(笑)。スペアリブが美味しすぎて。ちょっともう1回…
一同:(笑)
鈴木:あぁ…これはIPA全般というよりも、「グランドキリン IPA」だから合う味わいですね。きっと、りな助さんが、そういう風に作ってくださったんだと思うんですけど。
—「グランドキリン IPA」だから合う味わいとは?
鈴木:IPAというビールはホップをたくさん使って造るので香りと苦味がしっかりしたタイプのビールなんですけど、「グランドキリン IPA」は苦味がマイルドなんです。なので、たれの濃さとホップの苦味とのバランスが取れているんだなって思いました。
りな助:そう、そう。IPAなのに、そんなに苦くないんですよ。
鈴木:それと、焼肉のたれって、ちょっとフルーツのような酸味や甘味がありますよね。それが、「グランドキリン IPA」が持っている柑橘のようなフルーティーさともマッチしていて、お互いを引き立てあってる感じがしますね。
りな助:それも焼肉のたれのポテンシャルです(笑)。
—では、最後です。「グランドキリン IPL」に合わせて、『マグロの味噌漬け』をつくっていただきました。
鈴木:これも美味しそうですね。まずは、生のものからいただきます。
—いかがですか?
鈴木:あー(笑)。
—その顔がすべてを物語ってますね(笑)。
鈴木:合う〜(笑)。
りな助:この組み合わせは本当に合うんですよ。
鈴木:これは、やっぱ味噌が決め手ですね。「グランドキリン IPL」って苦味はあるんですけども、華やかな香りが特徴なんですよね。お花のような。その華やかな香りが、醤油とか出汁系、あとこういう味噌にはすごく合うんですよね。
りな助:味噌の旨味が、このビールに合いますよね。マグロ自体にも旨味があるんですけど、そこに味噌の旨味を合わせることで、相乗効果が生まれるんです。
鈴木:本当にそうですね。そして、「グランドキリン IPL」は、ラガータイプのビールなので切れ味がよくて、口の中に残る味噌の甘みをサッと流してくれるんですよ。だから、次の一口目も、たぶん同じ表情できるくらい美味しく食べられると思います(笑)。
りな助:表面を焼いた方も、ぜひ。
鈴木:あー、これはまた全然違いますね。焼くと、ちょっと照り焼きっぽくなるっていうか。
りな助:そうですね。焼くことで、香ばしさが立ってくるので、また違った味わいになるんですよ。ただ味噌に漬けるだけなので、寝る前に漬けておいて、お休みの日に明るいうちからこれをおつまみに飲むとかもいいですよ。
—それは優雅な休日だなぁ(笑)。この3品は本当に手軽に作れるし、晩酌が楽しくなりそうですね!
鈴木:いや、本当にそう思いました。コンビニもおつまみが充実しているとはいえ、さすがにこういうおつまみは並んでいないので。
りな助:これをつくるだけでも、ずいぶんとビールも美味しく飲めるようになると思いますよ!
鈴木:本当にそうですよね。これはやってみたいと思います!
りな助さん考案!グランキリンと楽しむ常備つまみのレシピ
【やみつき簡単!塩もみゆず塩大根】
<材料(作りやすい量)>
- 大根:1/2本
- 塩:小さじ1
- ゆず皮:1個分
- [A]
- ゆず果汁:1個分
- はちみつ:小さじ2
- 塩:小さじ1
<作り方>
@大根は1cm幅の拍子切りにし、塩でもむ。ゆず皮は千切りにする。
A1を10分ほどおいて水分が出たら水分を絞る。
B密閉袋に2と[A] 、ゆず皮を入れ、冷蔵庫で1〜2時間冷やす。
※ お好みで山椒をかけても◎
【炊飯器で作るスパイシースペアリブ】
<材料(2人分)>
- スペアリブ:400g
- ゆで卵:2個
- 塩コショウ:少々
- ごま油:適量
- クレソン:お好みで
- レモン:お好みで
- 五香粉:小さじ1
- [A]
- 焼肉のたれ:150ml
- 酒:100ml
<作り方>
@スペアリブに塩コショウをする。
A中火で熱したフライパンにごま油をひき、スペアリブの表面に焼き色がつくまで焼く。
B炊飯器にスペアリブ、ゆで卵、[A]を入れ、通常炊飯し、仕上げに五香粉をふる。
※ 一般的なお米を炊く専用の炊飯器や、圧力がかかるタイプの炊飯器での調理は、故障に繋がる恐れがあるため、調理機能付きの炊飯器で作ることを推奨します。
【マグロの味噌漬け】
<材料(作りやすい量)>
- マグロ:400g
- 白髪ねぎ:適量
- いりごま:適量
- 塩:適量
- [A]
- 味噌:大さじ2
- みりん:大さじ2
- すりおろしにんにく:1かけ
<作り方>
@マグロに塩をふり、水分が出てきたらキッチンペーパーで拭き取る。
A密閉袋に1と[A]を入れ、一晩寝かせる。
B2を食べやすい大きさに切り、白髪ねぎとゴマをちらす。
※ お好みで表面を軽く焼いても美味しいです!