刺身に塩辛、焼き魚。魚のつまみと、NY生まれのクラフトビールの合わせ方
2019.04.11
近年はさまざまなクラフトビールが手に入りやすくなり、普段の食卓でクラフトビールと料理を合わせて楽しむ機会も増えたのではないでしょうか。とは言っても、刺身や、塩辛、焼き魚といった和食に合わせるお酒となれば、いわゆる昔ながらのビールや、焼酎、日本酒が思い浮かぶ方も多いはず。
しかし実は、こういった料理とクラフトビールも、ポイントをおさえると驚くほどよく合うんです。そこで今回は、「ブルックリン・ブルワリー」の2種類のクラフトビールを例に、私たちのよく知る和の魚料理とのペアリングをご紹介します。
「ブルックリンラガー」はしっかりした味わいの料理と
食、ファッション、アート、音楽。ニューヨークカルチャーの発信地ブルックリンに醸造所をかまえる「ブルックリン・ブルワリー」は、アメリカにおけるクラフトビールメーカーのパイオニアとして1988年に誕生しました。そのシグニチャーモデルが「ブルックリンラガー」です。
しっかりしたカラメル麦芽の風味と、ホップ由来のすっきりした苦味に加えフローラルな香りが特長の「ブルックリンラガー」。
どんな料理にも合わせやすい味わいですが、なかでも醤油やソースを使ったしっかりとした味わいの料理との相性が抜群。例えば少し重たい赤ワインをイメージするとペアリングが組み立てやすいはずです。
照り焼きや煮魚のようにコクのある魚料理や、煮切りでいただくマグロの刺身などと合わせれば、コクがあり味わい深く、なめらかな口当たりの「ブルックリンラガー」の特長を引き立ててくれます。
ここでは、オススメのレシピとして「マグロのユッケ」と「焼きサバの田楽味噌」をご紹介しましょう。
濃厚な味わいと深いコクがマッチする「マグロのユッケ」
おなじみのマグロのヅケも、卵黄やごま油でコクを強調することで、醤油のキレだけではない豊かで濃厚な味わいが生まれます。ほどよい苦味と深いコクの「ブルックリンラガー」によく合います。
<材料>(分量はお好みで)
- マグロの柵
- うずらの卵
- 松の実
- みょうが
- 醤油
- 砂糖
- ごま油
<作り方>
@マグロの柵を適当なサイズに切り出す。みょうがは千切りにしておく。
A醤油、砂糖、ごま油をボウルに入れ、マグロをヅケにする。
BAをお皿に盛り、中心にうずらの卵黄を落とし、松の実とみょうがで飾りつければ完成。
コクと香りのかけ合わせ「焼きサバの田楽味噌」
いつものサバの塩焼きに甘じょっぱい田楽味噌を添えることで、深いコクと甘味、赤味噌の香ばしい風味が加わります。コクと香りのかけ合わせ。「ブルックリンラガー」の特長と重なるペアリングです。
<材料>(分量はお好みで)
- サバ
- 赤味噌
- みりん
- 酒
- 木の芽
<作り方>
@サバの切り身を、皮目を上にして焼く。
A小鍋に赤味噌、みりん、酒、水を入れてよく混ぜ合わせ、中火にかける。ふつふつしてきたら弱火にし、木ベラで混ぜながらペースト状に。
B焼いたサバの上からAを適量かけ、木の芽を添えれば完成。
北海道オリジンのホップを使った逆輸入ビール「ブルックリンソラチエース」
「ブルックリンラガー」に加え、新たにDRINXで発売開始となったのが「ブルックリンソラチエース」。
北海道空知郡(そらちぐん)が起源で、アメリカで育ったホップ「ソラチエース」を使用してつくられたセゾンスタイルのビール(※)は、柑橘やレモングラス、ハーブといった爽快な香りが印象的。
魚介類に合わせると、レモンを絞って食べるのと同じように爽やかな香りが料理を引き立ててくれ、生臭さを感じることなく楽しめます。こちらは例えば日本酒や白ワインのように、素材の持ち味を活かした、あっさりした味付けの料理と合わせるのがオススメ。
ここでは、「ブルックリンソラチエース」の特長を引き出す、「イカの塩辛のせ冷奴」と「キスの天ぷら梅肉ソース」をご紹介します。
※ セゾンスタイルのビールとは、ベルギーやフランスの一部で冬に仕込み、夏の農作業の合間に飲まれていたビールのこと。
爽やかな香りと磯の味わいを楽しむ「イカの塩辛のせ冷奴」
イカのワタの深いコクと塩味を、水切りした木綿豆腐に合わせた一品。「ブルックリンソラチエース」の香りが独特の生臭さを消してくれ、ほのかな磯の味わいとともに爽やかに楽しむことができます。
<材料>(分量はお好みで)
- イカの塩辛
- 木綿豆腐
- あさつき
- 柚子
<作り方>
@木綿豆腐を水切りする。あさつきはみじん切り、柚子は皮を千切りにしておく。
A@を適当な大きさにカットし、塩辛を適量盛り付ける。
B塩辛の上にあさつき、柚子を盛り付けて完成。
淡白な味わいに香りを添える「キスの天ぷら梅肉ソース」
出汁や塩を添えてさっぱりいただくことの多いキスの天ぷらに、もうひとアレンジを加えました。淡白なキスに甘酸っぱい梅肉ソースを添えることで、「ブルックリンソラチエース」のフルーティーな味わいとさらによく合います。
<材料>(分量はお好みで)
- キス
- 卵
- 天ぷら粉
- サラダ油
- 梅干し
- みりん
- 出汁
- 醤油
<作り方>
@キスに溶いた卵をからませ天ぷら粉をつける。
A180度に熱した油に@を入れて揚げる。
B種を取り除いた梅干しを包丁でたたいたらボウルに移し、みりん、出汁、醤油を加えてよく混ぜ合わせる。
Cキスの上にBを適量のせて完成。
晩酌のバリエーションを広げてくれる、新しい組み合わせ
これまでクラフトビールと合うイメージがあまりなかった魚料理やお寿司も、こんな風にポイントをおさえると、抜群の相性を発揮してくれます。
ビールの味わいと料理の味付けの濃淡を合わせるというコツさえ覚えておけば、普段の食卓でのペアリングの幅がぐんと広がりますね。
今夜の食卓に、ぜひ取り入れてみませんか?