食欲が止まらない、「おうち中華×シェリー酒」という秘密の組み合わせ。

2019.01.10

中華料理に合わせるお酒といえば、ビールや紹興酒を思いつく人が多いのではないでしょうか。実は、バーでおしゃれに嗜まれているイメージの“シェリー酒”こそ、中華料理と相性抜群のお酒なんです。
今回は、家庭でつくる中華料理とシェリー酒のペアリングをご紹介します。

飽きずに愉しめる辛口シェリー

そもそもシェリー酒とは、スペイン・アンダルシア州南西部に位置する町ヘレス・デ・ラ・フロンテラ周辺の定められた地域で白ブドウを用いてつくる“酒精強化ワイン”のこと。その名の通り、醸造過程でブランデーを添加し、味わいと香りの維持、保存性を高めたものです。

そんなシェリー酒の中でも、スペインにおける辛口シェリーの代名詞が「ティオ・ペペ」。現在世界75ヵ国以上で年間1,000万本以上が愛飲されている、シェリー酒のトップブランドです。

ブランデーでアルコールを強化したことによるドライな味わいに加え、焼きたてのパンやアーモンドを連想させるエレガントで独特な香りや、フレッシュでありながらどっしり重厚感のある飲み口から、飽きずに長く愉しめるワインとも言われています。

食前酒の定番として、また魚介類などの料理を彩る辛口ワインとして世界中の多くのレストランで選ばれている「ティオ・ペペ」を用いて、家庭で手軽につくれる中華料理とシェリー酒の愉しみ方をご紹介しましょう。

チャーシューのコクを引き立てるドライな香味をストレートで

一品目は、ごはんのおかずにもお酒の肴としても万能なチャーシューです。

味がしっかり染み込んだチャーシューには、「ティオ・ペペ」をストレートで合わせましょう。
白ワインと同じように酸味もしっかり感じられ、口の中をすっきりとさせてくれるのが「ティオ・ペペ」の持ち味。フレッシュな酸味と辛口な味わいが、チャーシューのコクとよく合います。
できれば「ティオ・ペペ」を5℃くらいに冷やしておくと、より一層ドライな味わいが愉しめるのでオススメですよ。

豚肩ロースのブロックにたこ糸を巻いて軽く塩コショウしたら、香味野菜とともに下茹でをしましょう。じっくり火を入れることでやわらかく仕上がります。

付け合わせにお好みで白髪ネギやパクチーを添えれば、さらにアジアンテイストな一品に。こっくりしたチャーシューの味わいにアクセントが効いて、ますます箸も進んでしまうはず。

繊細な味わいの煮物には、オン・ザ・ロックですっきりと

続いてご紹介するのは、「冬瓜と蟹肉のうま煮」。

淡白な味わいのこの料理には、オン・ザ・ロックがよく合います。
意外にもどんな食事にも合う「ティオ・ペペ」は、もちろん魚介との相性もぴったり。個性があるのに料理の邪魔をしない。これも「ティオ・ペペ」が世界で広く愛される所以ではないでしょうか。

おいしくつくるコツは、皮をむきひと口大にカットした冬瓜を軽く塩で揉んでおくこと。味が染み込みやすく、皮の下の薄い繊維も色鮮やかに仕上がります。
ことこと煮込んだ冬瓜にお箸がすっと通るくらいになったところで、あんにとろみをつけて蟹肉を投入しましょう。蟹肉の鮮やかな赤い色味を残しつつ身がほぐれすぎないよう、タイミングが肝心です。

蟹の旨味をたっぷり吸い込んだまろやかな冬瓜、心からあたたまる一品です。
冬瓜の代わりに大根やカブでつくってもおいしくいただけますよ。

しびれる辛さと油分を爽やかに包み込む、ソーダの軽やかさ

最後は、ピリリとしびれる花山椒を使ったナスの揚げもの。

ドライな飲み口をさらに爽やかにさっぱりと愉しめる、ソーダ割りを合わせましょう。
本場スペインでもオイル煮や揚げものとよく合わせるように、油を使った料理と「ティオ・ペペ」は鉄板の組み合わせ。淡い黄金色が、炭酸の泡とともに美しく輝きます。
お好みでスライスしたレモンを添えれば、一層爽やかな味わいに。

中華料理は手際が重要。香味野菜はあらかじめすべてみじん切りにカットしておき、花山椒だけはおろしたてを使いましょう。香りの立ち方が格別です。
短冊切りにしたナスに片栗粉をまぶしてカリッと揚げたら、あとは和えるだけ。

サクサクとした小気味良い食感と、香味野菜やスパイスの複層的な刺激、香りを愉しめる一品です。

“おうち中華”の裾野を広げるシェリー酒

今回使用した「ティオ・ペペ」のように、ドライで軽い口当たりが特長の“フィノ”タイプのほか、甘口から辛口までさまざまなタイプに分類されるシェリー酒。熟成させることで重厚な味わいを生み出し、紹興酒にも似た香味をもつ“オロロソ”タイプのシェリー酒もまた、中華料理と相性抜群なのだそう。

ビールや紹興酒もいいけれど、少し気分を変えて、こうしたシェリー酒を“おうち中華”の食卓に取り入れてみませんか?新しい中華料理の愉しみ方に、ハマってしまうこと間違いなしですよ。