パリっ子も唸った。餃子とワインのマリアージュ

2018.06.14

餃子といえば、ビール。そう思う方が多いのではないでしょうか。実は今、パリでは餃子とワインの組み合わせが流行っているのだそう。意外性のある組み合わせですが、それぞれがお互いの特長をうまく引き立てあい、抜群の相性を発揮するんです。今回は、シャトー・メルシャンのシニア・ワインメーカーでもある、ワイン技術研究所の生駒さんと、東京・赤坂に2017年にオープンした「GYOZA IT.」名誉店長の座間さんに、そんな“餃子とワインの意外な関係”について教えてもらいました。

生駒 元さん
キリンR&D本部ワイン技術研究所技術開発グループリーダー、エノログ[(社)葡萄酒技術研究会認定]、ソムリエ[(社)日本ソムリエ協会認定]、シャトー・メルシャン シニア・ワインメーカー

座間 あかねさん
味の素冷凍食品「GYOZA IT.」 名誉店長
2015年味の素冷凍食品(株)入社、中部工場(岐阜)総務グループに配属。工場総務を経て、2017年より「GYOZA IT.」プロジェクトに携わる。9月のオープン時より名誉店長職に就く。

世界に羽ばたく“日本式餃子”

今、パリをはじめ世界中で日本式の餃子が食べられていると言います。その理由はどういったところにあるのでしょうか。座間さんにお伺いしました。

座間さん(以下敬称略):中国の水餃子をはじめ、世界にはモモやサモサなど“皮で具を包んだ料理”が多く存在していて、茹でたり、蒸したり、揚げたりするのが一般的です。その中でも、フライパンで焼く日本式の焼き餃子は、あのパリパリの皮が特長的で、立派な和食として世界中で愛されています。

生駒さん(以下敬称略):「GYOZA IT.」のコンセプトもそのあたりと関係しているのですか?

座間:はい。「GYOZA IT.」は、そんな日本式の焼き餃子を、世界中の方々に味わっていただきたいという思いから、「GYOZA IT. = 餃子しよう!」をコンセプトに、在日外国人が多い赤坂にオープンしました。

座間:「GYOZA IT.」をプロデュースしている味の素冷凍食品は、45年間冷凍餃子を作ってきました。そんな、焼き餃子を研究し、知り尽くした私たちがつくる餃子を、当店ではご提供しています。店に入るとすぐ目につく5mの長い鉄板は、お客さまに“焼き”を五感で感じていただくことができます。ジュワーっと蒸気をあげる様子を見ながら、ジュージュー焼ける音や香ばしい匂いをぜひ楽しんでいただきたいです。

日本式餃子の多様な楽しみ方

シンプルな焼き餃子だけでなく、さまざまな種類の餃子を提供している「GYOZA IT.」。そこにはどのような想いが込められているのでしょうか。

座間:「GYOZA IT.」では、合鴨肉を使った「ワインに合うカモ!GYOZA」や、「パクチーGYOZA」、茄子で包んだ「茄子GYOZA」など、日本式餃子をより一層楽しんでいただくためにさまざまなスタイルの餃子をご用意しているんです。

生駒:私はあまりパクチーが得意ではないのですが、こちらの「パクチーGYOZA」はパクチー感が主張しすぎず、おいしくいただけます。フレッシュさがとてもいいですね。どのような経緯で開発されたのですか?

座間:当店の餃子は基本的に国内の工場でつくっているのですが、この「パクチーGYOZA」は実はタイからの輸入品なんです。味の素がタイの家庭用餃子として現地で開発し、タイ国内だけで親しまれていたものなのですが、日本でパクチーが人気になったことで、せっかくならとメニューに取り入れてみることになりました。現地で採れたフレッシュなパクチーが中にしっかり入っています。

生駒:メニューを見ると、タレの種類もたくさんありますね。

座間:各テーブルにおいている酢や醤油で作るタレもおいしいのですが、当店ではさらに厳選した6種類のタレをご用意し、日本式餃子をさらにいろいろな味で楽しんでいただけるようにしています。飲みものもビールだけではなく、ワインやシャンパン、発泡性の日本酒もご用意しています。ワインと一緒に餃子を楽しむお客さまも多くいらっしゃいますね。

餃子とワインの意外な関係

日本人にとってはちょっと意外かもしれない、ワインと餃子の組み合わせ。これが本当にマッチするのですが、そこにはしっかりとした根拠が存在しているのです。そのあたりを、生駒さんにわかりやすく解説していただきました。

生駒:ワインの中でも特にロゼワインは、餃子との相性がとてもいいと思っています。ロゼワインは白ワインと赤ワインの両方の長所を兼ね備えたワインです。果汁だけでつくる白ワインは“リンゴ酸”が多く、爽やかなのが特長です。一方で、ブドウの果皮や種子を一緒に発酵させてつくる赤ワインは“乳酸”や“ポリフェノール”が多く、渋みや重みが出てきます。コクのある赤ワインと、さっぱりとした白ワインの間がロゼワインで、濃厚すぎず、淡白すぎない。ロゼはバランスがとれたワインなのです。
また、渋みや重みのある赤ワインは、味がしっかりとしている肉が合うこと、すっきりとした白ワインは、淡白な魚が合うことはよく知られているかと思います。ということは、バランスの取れたロゼワインは、肉のようなしっかりとした味と、淡白さのバランスが取れている料理と相性がいいことになります。

座間:なるほど。つまり餃子はバランスのとれた料理であるということですね。

生駒:そうです。餃子は味付けのしっかりされた肉と野菜を、淡白な皮で包んでおり、味の濃さと淡白さのバランスが取れた料理なのです。私はこれこそが餃子とロゼワインが相性のいい理由だと考えています。もちろんビールと餃子はおいしくいただけますが、ビールはマリアージュと言うよりは口中をリセットするお酒であるのに対し、ロゼワインは、料理とワインの“重さ”のバランスがちょうど釣り合っているために共存できるということです。

“日本式餃子”と最高の相性をもつ“日本ワイン”

ひとくちにロゼワインと言っても、甘口から辛口まで、さまざまな種類があります。その中でも餃子との相性が抜群なものとして生駒さんが選んだのが、「シャトー・メルシャン アンサンブル ももいろ」です。

生駒:数あるロゼワインの中でも「アンサンブル ももいろ」が日本式餃子にぴったりである理由は、ブドウ品種にあります。「アンサンブル ももいろ」に使用している品種は、キメ細やかでなめらかなタンニンとしっかりしたボディが特長の“メルロー”と呼ばれる品種と、なめらかなテクスチャーと甘くて華やかな香りが特長の“マスカット・ベーリーA”と呼ばれる日本固有品種です。座間さん、どんな香りがしますか?

座間:甘い香りがします。

生駒:そう、綿菓子のような甘いニュアンスがありますよね。ちょっと砂糖を焦がしたような。この甘い香りはマスカット・ベーリーA由来の香りです。この甘いニュアンスが重要なポイントです。和食は、砂糖やみりんなど甘味のある調味料を使うことが多いですよね。そこに熱を加えると、同じような甘い香りが生じます。口中で似た香味が出会うと、それが架け橋となって、料理とワインの相性が良くなります。つまりこの「アンサンブル ももいろ」は他のロゼワインに比べても、和食である日本式餃子との相性がいいロゼワインなのです。
さらにいうと、餃子のタレを付けずに食べるのが、「アンサンブル ももいろ」とのマリアージュを存分に愉しむためのポイントです。というのも、既に餡にしっかり味付けがしてあるので、タレ無しの状態でちょうどワインと料理の“重さ”のバランスが取れているのです。また、タレにお酢を使うと、“酢酸”という「アンサンブル ももいろ」とは異なる酸味が含まれるので、口中で喧嘩する傾向があります。

自宅でも気軽に楽しめる、餃子とワインのマリアージュ

実はこの最高の組み合わせは、自宅でも手軽に愉しむことができます。用意するのは、味の素の冷凍餃子と「アンサンブル ももいろ」。

座間:味の素の冷凍餃子は、誰が焼いてもパリパリにおいしく焼きあがるようにつくられているんです。一般的な餃子は、焼くときに使う水や油の量によって焼きあがりが変わってしまうのですが、味の素の冷凍餃子は水や油を一切使わずにつくれるので、誰でも簡単においしく焼きあげられるんです。
生駒さん、自宅で餃子とワインのマリアージュを愉しむときのコツはありますか?

生駒:そうですね、まず「アンサンブル ももいろ」の香りを愉しみます。そして一口ワインを口に含み、その味わいをゆっくりと感じてください。次に、餃子を口に入れ咀嚼して味わい、少し餃子が残った状態で「アンサンブル ももいろ」を口に含みます。餃子とワインの味わいがどう変わるかを感じると、きっと愉しめると思いますよ。タレは、もちろんお好みですが、やはり“タレ無し”が一番のオススメですね。

今、世界から注目されている“和食”、日本式餃子と日本ワインのマリアージュ。
この新しい体験を、ぜひ味わってみてください。

取材協力

GYOZA IT.

日本式のGYOZAの魅力を世界に発信することを目的に、2017年9月に5年間限定でオープン。各種GYOZAをはじめ、鉄板焼きメニューから豊富なサイドメニューと共に、ワインをはじめ各種お酒とのマリアージュを提案。
ランチタイム:11:30〜14:00(LO13:30)(平日のみ)
ディナータイム:17:00〜23:00(LO22:30)
定休日:年末年始

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