“逆さ富士”をワインに映して。日本ワインと絶景のマリアージュを愉しむ

シャトー・メルシャンのワイナリーは、山梨県甲州市勝沼町にあります。どなたでも訪れることのできるワイン資料館やワインショップに加え、地下セラーや醸造施設、ヴィンヤードなどを見学できるツアーも開催している体験型ワイナリーです。

ツアーでまず訪れるのは、大きなオーク樽がズラリと並ぶ地下セラー。その光景に圧倒されますが、それ以上に驚くのは、入った瞬間に鼻の奥までふわっと広がるワイン樽の香りです。まるでヴァニラのようなその香りを、ぜひ愉しんでみてください。

次に訪れる祝村ヴィンヤードでは数種類のブドウを栽培しており、品種の異なるブドウの木を間近で見ることができます。特に、これからはちょうどブドウの実がなる季節。タイミングが合えば、ブドウの収穫や剪定の体験をすることもできますよ。

ヴィンヤードを見学した後は、多くの参加者が心待ちにしているテイスティング。ソムリエなどワインのプロの資格を持つツアーガイドが品種や製法による味の違いを丁寧に説明してくれます。気に入ったワインはその場で購入できますし、ワイナリーでしか売られていない限定ワインも手に入れることができます。

日本ワインの魅力に触れた後は、実際にじっくりと味わってみたくなるものです。ワイナリーには併設のレストランがありますが、この季節は外でのピクニックも最高。いよいよ“ワインと絶景のマリアージュ”を体験してみましょう。

ワイナリーからタクシーで30〜40分も移動すれば、富士山が望める湖まで足を伸ばすことができます。湖畔に腰掛け、壮大な富士の絶景を眺めながらピクニックのスタートです。

爽やかな夏の青空の下、青々とした富士山と一緒に愉しみたいのが、レモンやグレープフルーツのような柑橘系の香りが特長の「甲州きいろ香」。その爽やかな香りとフレッシュな酸味が、夏の暑さも心地よく吹き飛ばしてくれます。

グラスの中の透き通った「甲州きいろ香」が、太陽の光でキラキラと輝く湖と相まって、見た目にも美しく気分を盛り上げてくれます。湖に逆さ富士が映るように、クリアなワインの中にも逆さ富士と青空が映り込み、ここに来なければ見ることできない特別な景色を味わうことができます。

「甲州きいろ香」に合わせたいのが、ワイナリーでしか手に入らない、「甲州きいろ香」を使ったオリジナルチーズ、「ワイン・フォンデュ」です。バゲットにのせ、お好みでドライフルーツなどを散らして愉しみましょう。ほんのりと「甲州きいろ香」が香るチーズフォンデュは、まろやかなのにしつこくなく、「甲州きいろ香」のフレッシュな酸味との相性がぴったり。

道中で手に入れた果物も一緒に広げ、目の前に広がる富士山と日本ワインを贅沢に愉しみましょう。

青空と富士山を爽やかに愉しんだ後、日が暮れてくる頃にゆったりと愉しむのにオススメなのが、焼きリンゴのようなふくよかな香りと、しっかりとした厚みのある味わいが特長の「甲州グリ・ド・グリ」。白ワインなのですが、赤ワインと同じく果皮や種を一緒に醸す方法でつくられており、その色合いから“オレンジワイン”とも言われています。

日が沈んでいくにつれ、ゆっくりと夕焼け色に染まっていく空と富士山。そしてそれを反射する湖の水面。そんなロマンチックな景色を、「甲州グリ・ド・グリ」のまるで夕日のようなきれいなオレンジ色が、より一層特別なものに演出してくれます。

圧倒されそうになる幻想的な富士の夕焼けと、「甲州グリ・ド・グリ」の甘いアロマと、厚みのある味わい。一緒に訪れた友人や恋人と、思わずいつもよりも深く語り合いたくなってしまうでしょう。

よく晴れた夏の日。ワイナリーの見学もかねて、富士山を眺めながら日本ワインを愉しんでみてはいかかがでしょうか。

日本ワインの愉しみ方が、また広がること間違いなしです。