ワインは「思い出」。ワインツーリズムの極意とは

2018.07.26

ワイナリーの見学やテイスティングに留まらず、つくり手との会話や、産地のワイン・料理を愉しみながら、産地ならではの魅力を全身で感じテロワールに触れる旅“ワインツーリズム”。その言葉は聞いたことがあっても、どのように実践すればいいかわからないという人も多いのでは?そんな人のために、フランスで記念すべき第1回ワインツーリズム大賞に輝いた「ドメーヌ・カズ」のリオネル氏に、正しいワインツーリズムの愉しみ方を教えてもらいました。

リオネル・ラヴァイユ

2004年7月、「ドメーヌ・カズ」の株主となり、取締役に就任。社内的には、高品質なワインづくり、国際市場における「ドメーヌ・カズ」のビジュアルアイデンティティ向上などを、若くてダイナミックなチームを組織して行っている。対外的には、ルーシヨン全域のワイナリーとのパートナーシップ強化にも積極的に取り組み、「ドメーヌ・カズ」の技術、専門知識、経験を惜しむことなく提供し、ルーシヨン地方のワインビジネスの向上に貢献している。

「私たちはワインを売っているのではなく、フレンチカタランの風土やライフスタイルを提供しているのです」というリオネル氏。ワインの専門家がこんな提案をするなんて、あなたは意外に感じるかも?

新しい世界を見つけに行こう

ワインを学ばなきゃといって、伝統的なワインの産地に行かなきゃという人たちがいるけれど、頑張って勉強しなくたっていいんです。

むしろ自分が行ってみたい旅先の風土やライフスタイルをより深く教えてくれるのがワインと捉えてみて。

最近は世界各地で、よりシンプルでわかりやすい、楽しいワインが作られています。いざ新しい世界の開拓へ。あなたはどんな場所に旅がしたい?

大自然を楽しもう

ワインを知るには、その土地の自然を満喫するのが1番。だってブドウは大地の恵みなのだから。たとえば私たちのルーシヨン地方だったら、山やブドウ畑でハイキングやサイクリングができますし、ぜひ海にも入ってほしい。

1年を通して暖かいので、冬にはスキーをした同じ日にビーチで夕涼みも気持ちがいいです(泳ぐこともできます!)。太陽や風、山や海はワインをつくるにも欠かせません!

文化を知ろう ローカルたちの真似をしてみよう

もうひとつ重要なのが文化とライフスタイル。せっかく現地に来たのなら現地の暮らしを体感してみて。レストランやカフェも地元で人気のお店を探してみましょう。

インテリアに注目するもよし。現地の人たちの食べ方や飲み方を真似てみるもよし。たとえばルーシヨン地方では名産のアプリコットに青カビチーズをのせて、ワインと一緒に食べるのがツウ。

そんなシンプルだけれど地元ならではのカジュアルな愉しみ方を体得したら、帰ってからの愉しみも増えます。

直感がすべて、難しく考える必要はなし!

ワインは難しそうだけれど、難しく考える必要はない。だって食事なのですから。好きな味は好き、苦手な味は苦手。それでいいんです。自分の味覚を信じて!

思い出に残る時間を過ごそう

ワインの良いところ。それはワインと旅をしたら、帰ってから同じワインを飲んだ時に記憶も一緒によみがえるところ。だから旅の間はあなたの好きなことを存分にして、思い出に残る時間を過ごしてください。

バケーションが終わって、忙しい1日の終わりに私たちのワインを飲むとき、ふとあなたの心が緩んで、地中海の風やゆったりと流れる豊かな時間に思いを馳せてくれたら、と願っています。

レストランや宿から ワイナリーを探すのもあり

ワイナリー見学はひとつふたつ行けば十分。でもそのワイナリーを選ぶのもひとつのハードルですよね。そんな時は、レストランや宿からワイナリーを探すのもあり。

ワイナリーが経営するレストランは、そのワイナリーのワインの味と世界感にぴったり合う料理を出してくれます。例えばドメーヌ・カズのレストラン「La Table d’ Aimé」のコンセプトは、オーガニックな素材をシンプルに面白く、そして毎日を新しく。家のご飯のようにその日のメニューは決まっているけれど、健康的でいつ来ても昨日とは違う食事ができるお店。

ミシュランのビブグルマンに選ばれたお店らしく、コストパフォーマンスにも気を配っていて、暮らしの楽しさを地元の人にも観光で来た人にも提供しています。すぐ隣のショップでは、テイスティングやワインの購入もできますよ。

最近は宿泊させてくれるワイナリーも増えてきていて、ホテルの検索サイトなどでも探すことができます。ワイナリーに泊まれば当然見学もできるし、ワイナリーの人々は地元と密接に関わっているからこそ、ホテルに泊まるよりも面白い体験になると思います。

“リノベしたワイン蔵”に泊まれる宿

「MAS LATOUR LAVAIL」。外観はどう見てもワイン蔵。

広々としたダイニングスペース。朝食はここで。

今回、“ワインツーリズムの極意”について語ってくれたリオネル氏がオーナーを勤めるドメーヌ・カズは、まさに“泊まれるワイナリー”。古い蔵をリノベーションして宿泊施設に変身させたゲストハウス「MAS LATOUR LAVAIL」は必見です。

蔵の良さは残しつつ、大きな窓から差し込む光が気持ちいい。

旅の疲れを癒すにはプール。

部屋ごとにレイアウトもインテリアも違う。こちらの銘柄はちょっと大人のテイスト。

古い貯蔵庫を改造したサウナ。タイルが素敵。

蔵の壁や天井の素材の良さはそのままに、大きな窓からは明るい光。オレンジ色のキュートなテラス、プール、広いリビング、かつての貯蔵庫を活用したサウナ——。

自らもワインビジネスのために世界を飛び回るリオネル氏が「旅の疲れを癒してほしい」と設計したホスピタリティー溢れる場所に仕上がっています。

部屋にさりげなく置かれたワインが嬉しい。

差し色の使い方が絶妙。思わず真似したくなるインテリア。

泊まれる5つのお部屋は、ドメーヌ・カズが生産している甘口ワインそれぞれの銘柄の世界観を隅々まで体現。銘柄ごとにカラーとインテリアが違うので、毎晩違う部屋に泊まってみたいですね。

日本でも販売されている「ミュスカ・ド・リヴザルト」の部屋は、ボトルと同じレモンイエロー。ソファーに座って大きな窓の外に広がるワイン畑を眺めていると、まるで自分がとろんと甘口ワインになった気分に。
ワインの気持ちになった思い出なんて、これぞ究極のワインツーリズムだと思いませんか?

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