つくり手と飲み手の“共創”で実現した、日本が香る一杯

2018.07.05

これまでにも、“つくり手”と“飲み手”がワクワクするような数多くのビールを生み出し、さまざまなおいしさと楽しみ方を提案してきた「SPRING VALLEY BREWERY(以下、SVB)」。そんなSVBから、6月21日、チャレンジスピリットに溢れた新作が発表されました。その名も「ほうじ茶ブラウンエール」。 今回は、クラフトビールの可能性を追求し続けるブリュワーと、SVBをこよなく愛するお客さまが集まるコミュニティ「CLUB SVB」のメンバーの“共創”によって完成した最新作についてご紹介します。

「ビールに新しい価値を」。ブリュワーの挑戦心が生んだ「USB」

まず、みなさんは「USB」という言葉を知っていますか?それは「ビールの新たなドリンカビリティを追求したい」というSVBのブリュワーたちの熱い挑戦心からスタートしたプロジェクト名であり、そこから生まれたプロトタイプ(試作)ビールの銘柄を指す言葉です。

「USB」の立ち上げに携わったSVB京都のヘッドブリュワー・三浦太浩さんは、企画が動き出した当時のことを振り返り、こう語ります。

三浦さん(以下敬称略):私たちSVBのブリュワーは、何度も飲みたくなるビールのポイントは“苦味”にあると考えています。でも、その一方で、味や香り、コク、のどごしなど、ビールにはさまざまな魅力があり、“いつかは苦味に変わるドリンカビリティを世の中に提案したい”という想いを強くもっていました。ドリンカビリティの追及、すなわち“飽きることなく、何杯でも飲みたい”と感じてもらえるビールづくりへの挑戦こそが、“Umami Session Brown”つまり「USB」なんです。

夢の実現に向けて臨んだ“共創”という手法

「USB」には、大きなふたつのポイントがあります。それは、“苦味”に代わる魅力を何にするか、そして、それをどう追求し、いかに実現していくか──。「そのヒントはSVB京都にありました」と三浦さんは言います。

三浦:私がブリュワーを務めているSVB京都は、“新しい日本の食とビールの提案”をテーマにしています。そこで「USB」では、日本ならではの価値観である“旨味”を追求し、「496」の開発の際に実践した、お客さまとの“共創”という手法を取ろうと考えたんです。

「496」とは、2014年に発売されたSVBのフラッグシップビールです。目指したのは“世界のどこにもない、完璧にバランスしたビール”。複雑な香りと深いコク、そして、どこかフルーティーさが漂う味わいは、クラフトビール好きだけでなく、それまでクラフトビールを飲んだことのない人でも楽しむことができる一本として広く知られています。

三浦:「496」は、試作段階のプロトタイプを実際にお客さまに飲んでいただき、ウェブやお店でご意見をいただいて、それらを反映させることで完成した、私たちブリュワ―とお客さまの“共創”による商品です。そのときの体験は、当時、開発に携わったブリュワーたちにとって、非常に貴重な体験でした。“ワクワクするビールの未来を思い描き、さまざまなビールのおいしさと楽しさを追求する”というSVBの醸造哲学は、そのときに培われたものだと感じています。

つくり手に“気づき”を与えた参加者たちからのメッセージ

“苦味”に変わって「何杯も飲み続けたくなる」ための要素として“旨味”に着目した三浦さんは、さまざまな素材でテストを繰り返しました。昆布に鰹、シジミ、そして、お茶……。

三浦:自宅でも職場でも、抽出した“旨味”を黒ビールに混ぜて、味見を繰り返しました。そして、プロトタイプをつくり、「CLUB SVB」のメンバーのみなさんに試飲会に参加していただいて、生のご意見をいただきました。「♯1」では昆布、「♯2」は煎り玄米、「♯3」と「♯4」ではほうじ茶の旨味を加えたプロトタイプを試飲していただいたのですが、みなさんにご記入いただいたアンケートには、つくり手とは異なる視点のコメントがたくさん書かれていて、驚きや発見、気づきに溢れていました。

今回は、「USB」の試飲会に参加いただいた「CLUB SVB」のメンバーの方数名に、試飲会を通した“共創”についてご感想を伺いましたので、その一部をご紹介します。

「最初はみんな緊張していましたが、『普段はどんなビールを飲むの?』なんて話していたら、いつの間にか仲良くなって、今でも会うくらいに親しい友人ができました。“日本らしさ”を表現しようと考えたときに“旨味”を思いつき、それを商品化していくまでの開発秘話などが聞けたのがすごく興味深かったです。私たち飲み手から、『どこ産の昆布なのか?』『他に日本らしさを出す素材はなかったのか?」』『塩味を加えても面白いかも?』などの話がどんどん出て、ブリュワ―さんもタジタジだったのを覚えています。ビール好きには最高の思い出になる素敵な時間でした」<R.T.さん/男性/会社員>

「テイスティングの方法を教えていただきながら、味を分析、表現していくのがおもしろかったです。試飲会は、『こういうところが好き』『ここはもっとこうして欲しい』と、自分が感じたことを自由に言える雰囲気だったのですが、そんな私たちの意見を『それ、おもしろいですね!』と真摯に、そして謙虚に向き合ってくれるブリュワ―さんたちの姿に、ビールづくりに対する情熱や愛情を感じました。自分が少しでもビールづくりに関われたと思うと、これまで以上にじっくりと味わいながら大事に飲みたいと思いますし、それを飲まれた他の方の感想も気になっちゃいますよね」<A.K.さん/女性/会社員>

「ブリュワ―さんや『CLUB SVB』のメンバー含めて『みんなで一緒にこのビールをより良いものへとつくり上げていく』という喜びと、次のナンバーの『USB』をワクワクと待つ楽しみがありました。それまでビールを“集中して飲む”経験がなかったのですが、ブリュワーさんからテイスティングの基本を教わって、『USB』というひとつのビールをじっくり味わってみると、どんどんビールの“解像度”が上がってくるのを感じました。そして今回、いよいよ定番商品化されると聞いたときには、ワクワクも最高潮です。成長していく様子を見守っていた子が、いよいよ世に羽ばたく瞬間に目を細めているような、そんな幸せを味わっています」<K.M.さん/男性/会社員>

SVBと「USB」が目指す、ビールの無限の可能性

そんな、ブリュワ―とお客さまの“共創”によって完成したのが、6月21日に発売となった「ほうじ茶ブラウンエール」です。

三浦:プロトタイプである「♯3」と「♯4」にも“旨味”のもととしてほうじ茶を使用したのですが、試飲会に参加していただいた「CLUB SVB」のみなさんから“特長を前面に押し出してほしい”というご意見をたくさんいただきました。そこで「ほうじ茶ブラウンエール」では、顔にグラスを近づけたときに、ほうじ茶の香ばしさと焙煎した麦芽の香りがしっかりと立ち上るように仕上げました。また、飲んだ後で、喉の奥から鼻に抜けるやわらかな戻り香(こう)も楽しんでほしいポイントです。

DRINXと東京・横浜・京都のSVB各店での販売が開始された「ほうじ茶ブラウンエール」ですが、「これは、まだまだ“完成形”ではありません」と三浦さん。

三浦:もちろん「ほうじ茶ブラウンエール」は、私たち“つくり手”と“飲み手”であるお客さまがともにつくり上げた、現時点でのひとつの到達点です。でも、この香りと味と、私たちのチャレンジングな提案を、世の中がどう受け止めてくれるのか……。そして、そのご意見を参考にしながら、今後、どのようなビールをつくっていくのか……。SVBと「USB」は、これからもお客さまとのコミュニケーションを通じて、新しいビールの魅力と楽しみ方を模索し、提案し続けていこうと思います。

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