大地の恵みを味わう料理とワイン。家庭でジビエ料理に挑戦

2018.09.27

フランス語で「狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉」を意味する“ジビエ”は、狩猟の盛んなヨーロッパで育まれてきた食文化です。近年、日本でも扱うレストランが増えてきましたが、実はオンラインショップなどでも手軽に素材が手に入り、自宅でも比較的簡単に愉しむことができます。今回は、自宅で気軽に愉しむジビエ料理と、野生の滋味とよく合うフランスワインのペアリングをご紹介します。

野性味溢れる鹿肉と海辺の畑で育ったワイン

山野を自由に駆け巡って育った動物の肉は、運動量が豊富なため身が引き締まり、脂肪分も少ないのが特長です。なかでも低脂肪で高タンパクな鹿肉は、鉄分やミネラルの含有量も多く、味わいもクセがなく淡白で、近年人気が高まっています。

刺身やたたきでもおいしい鹿肉ですが、ワインと合わせるならば、じっくりコトコト煮込んだ“赤ワイン煮込み”はいかがでしょう。 表面に焼き目をつけたロース肉を、玉ねぎ、マッシュルームとともに煮込んでいきます。塊でいただくお肉はジビエの醍醐味。大きめのブロックから切り出して、ソースをからめていただきます。

鹿肉の旨味を際立たせてくれるのが、南仏・コリウール生まれのプレミアムワイン「レ・クロ・ド・ポリーユ ルージュ」です。 地中海に面した海辺に畑を持つ、個性的な土壌でつくられたワインは、塩気と強いミネラル感が持ち味。

グルナッシュ、シラー、ムールヴェードルがバランス良くブレンドされ、トップで感じるスミレやラズベリーの華やかな香りにスパイシーなニュアンスも加わります。いくつもの表情を持ち合わせたこのワインが、じっくり煮込まれた鹿肉のコクをいっそう引き立ててくれますよ。

脂の旨味を活かした鴨肉と有機ワイン

秋が深まるにつれて、野生動物たちは越冬のために脂肪を蓄えていきますが、この時期とくにおいしくなるのが鴨。ジビエの中でも比較的手に入りやすく、甘味があってやわらかくクセも少ないため、ジビエ初心者にオススメの食材です。

今回は、そんな鴨肉の旨味を最大限に引き出す調理法としてソテーを選びました。
焼いているうちに染み出てくる脂を利用して、揚げるように焼いていきましょう。あまり動かさず、焦らずにゆっくり熱を通していくのがポイント。パリパリの皮目で、中はうっすらピンク色の“鴨のソテー”に仕上がります。
良質な脂を使って、旬の味覚きのこと、鴨と相性抜群のオレンジを一緒にソテー。仕上げに煮詰めたバルサミコ酢をまわしかけましょう。

これに合わせるワインは、ドメーヌ・カズより「カノン・デュ・マレシャル ルージュ」。南フランス最南端に位置し、地中海に面したルーシヨン地方は、自然と共生するオーガニックなワインづくりとライフスタイルで、今世界の耳目を集める地域です。

本来その土地が持つ力に働きかける“ビオディナミ農法”で育てたブドウは、さわやかな酸と穏やかな渋みが印象的。フレッシュでフルーティな風味が心地よいミディアムボディの赤ワインは、少し冷やしてフレッシュな果実香をより際立たせて愉しむのがオススメです。

香りが華やかな「カノン・デュ・マレシャル ルージュ」は、オレンジの風味とも相性が良く、ラズベリーなどの完熟した果実の豊潤な香りと、スミレの花を思わせるエレガントな芳香のバランスが、濃厚な鴨の肉に非常によく合います。秋の深まりを実感するひと皿とのペアリングを愉しみましょう。

家ジビエの愉しみは、“自然の恵み”の掛け合わせ

オーガニックなワインとジビエを愉しむ、大地の恵み豊かな南フランスの食生活。
彼らのスタイルにならって、今年の秋はおいしいフランスワインを用意して、“家ジビエ”にチャレンジしてみませんか?