日本ワイン 140年の歴史に乾杯。

2017.09.07

日本ワイン 140 年記念企画第三回目のテーマは、「日本ワインの歴史」について。 今回は、山梨県甲州市勝沼町にあるシャトー・メルシャンのワイン資料館を、 チーフ・ワインメーカーの安蔵光弘がご案内します。 日本ワインの歴史を辿ることによって、日本ワインの未来にまで想いを馳せてみたいと思います。 今から 140 年前、ワインづくりにかけた若者たちの情熱に敬意を表し、さぁ、日本ワインで乾杯しましょう。

安蔵 光弘 プロフィール Mitsuhiro Anzo

シャトー・メルシャン 製造部長 兼 チーフ・ワインメーカー。1968 年 茨城県水戸市生まれ。1995年 東京大学 大学院 農学生命科学研究科 応用生命工学専攻 修士課程 修了後、メルシャン入社。勝沼ワイナリー(現シャトー・メルシャン)配属。2001年ボルドーのシャトー・レイソン出向、同年ボルドー第2大学醸造学部にて利き酒適性資格(DUAD)取得。レ・シタデル・デュ・ヴァン国際ワインコンクールの審査員を2回務めるなど、海外でも経験を積み、2015年現職に就任。

(社)葡萄酒技術研究会 理事、エノログ(ワイン醸造技術 管理士)、山梨大学 ワイン科学士 認定委員(2008~)、 東京大学 農学部 非常勤講師(2009~)など、幅広く活動。 2014年には「洋酒技術研究会賞」受賞。著書に「等身大のボルドーワイン」(2007/醸造産業新聞社)がある。 日本ワインの原料となる国産ブドウの味わいを活かし、風土の個性を表現し、世界的にもレベルの高い繊細な“日本の食にマッチするワイン”づくりを目指して、日夜たゆまぬ努力を重ねている。


さぁ、140年のタイムトンネルへ

シャトー・メルシャンには、現存する日本最古の木造ワイン醸造所であり、山梨県の指定有形文化財にも登録されている『旧宮崎第二醸造所』(1904年築)が「ワイン資料館」として残されており、日本ワイン黎明期の貴重な資料を今に伝えています。

入口で皆さんをお迎えするモノクロ写真の二人の青年、高野正誠(当時25歳)と土屋龍憲(当時19歳)。メルシャンのルーツでもある日本初の民間ワイン会社「大日本山梨葡萄酒会社」が、この二人を本場フランスにワイン留学させたことから、日本の本格的なワインづくりが始まったと言われています。それが明治10年(1877年)、今から丁度140年前のことです。

貴重な日本ワイン遺産

資料館を奥に進むと、実際にワインづくりに使われていた 木製の道具や樽、手書きの設計図など、“日本ワイン遺産” ともいえる貴重な資料が数多く展示されています。
中でもぜひご覧いただきたいのは、“バスケットプレス” という圧搾機です。これは果汁を搾るためにブドウを破砕し、残った果皮を圧搾して果汁をとる機械ですが、ワイン留学を果たした高野と土屋が、フランスから帰国後(明治20年頃)、日本で製作させたものだと伝えられています。 ワインメーカーの私が、今見ても感心するお宝です。

必見!日本最古のワイン

資料館をさらに奥に進むと、140年の間につくられてきた歴史的なワインの数々が展示されています。
中でも必見は、高野正誠がつくったといわれるワインです。 これらは昭和 51 年(1976 年)に高野家の蔵に 100 年近く埋もれていたところを偶然発見されたもので、現存する日本最古のワインとも言われています。
驚くべきことに、赤白2本のワインは保存状態が良かったために、今も健全なままの状態を保っています。まさに日本ワインの原点ともいえる逸品です。

112年目の大快挙!

さらに、国際コンクールにおけるエポックメイキングな受賞ワインも数多く展示されています。先月号のマンスリー シャトー・メルシャンでも、「2017年金賞受賞ワイン」を特集しましたが、メルシャンはこれまで権威ある国際コンクールにおいて数多くの金賞ワインを輩出しています。
その最も象徴的なものが、『シャトー・メルシャン 信州桔 梗ヶ原メルロー 1985』です。

これは1989年にスロべニアで開催された、第35回「リュブリアーナ国際ワインコンクール」に出品され、日本ワインとして初めて最高位の “大金賞” を受賞したワインです。1877 年、山梨から二人の青年がフランスに渡ってから実に112年目の大快挙!日本ワインが世界で評価されるまでに、何と一世紀以上の歳月を必要としたのです。

世界へ、未来へ、日本ワイン

こうした先人たちの情熱と夢を受け継ぎ、140年前のフランスに端を発し、ワインメーカーとして私たちが世界で学んできたノウハウを注ぎ込み、国内はもとより、世界に向けて、未来に向けて発信していきたい日本ワイン、それが『シャトー・メルシャン 甲州きいろ香』です。
1,300年前から栽培されていたとも言われる日本固有のブドウ品種「甲州」。

シャトー・メルシャンでは、甲州ブドウに潜む香りに着目、ボルドー大学に在籍されていた故 富永敬俊博士の協力を得、その柑橘系の香りを “きいろの香り” と称し研究を重ね、2005年に『シャトー・メルシャン 甲州きいろ香』として初リリース。その年にイギリスのワインガイドで高評価を獲得、日本ワインが世界的に注目を集める先駆けとなった一本なのです。

甲州の “きいろの香り” で乾杯!

日本ワイン140年の記念すべき年に、この『シャトー・メルシャン 甲州きいろ香 2016』と、きいろ香生誕の地ともいえる “上野園”(開発当時、勝沼ワイナリー/現シャトー・メルシャンの工場長を務めていた上野昇さんの畑)のブドウだけでつくった、大変希少な『シャトー・メルシャン 甲州きいろ香 キュヴェ・ウエノ 2016』をセットにして、DRINXのお客さまだけにお届けします。

クリーンなスタイルの甲州は、海外の人からも和を感じさせるエキゾチックな香り、日本の禅にも通じる香りなど、日本ならではの繊細なニュアンスをもつワインとして、その品質は高く評価されています。
日本ワインの140年の歴史、そしてこれから続く未来に想いを馳せて、さぁ、『甲州きいろ香』で乾杯!


[今月のお薦め商品]

日本ワイン140年記念企画 シャトー・メルシャン “きいろの香りを愉しむ” セット

日本固有のブドウ「甲州」から初めて柑橘系のさわやかな香りを引出し、日本ワインに新たな可能性をもたらした、 『シャトー・メルシャン 甲州きいろ香』。2005年春初リリース、発売後、わずか2か月で完売し、イギリスのワインガイドでも高評価を獲得。甲州ワインを、世界でも一躍注目を集める存在へと引き上げました。

また、『キュヴェ・ウエノ』は、“きいろの香り” 発見に一役かった、元勝沼ワイナリー/現シャトー・メルシャン工場長でもある上野昇さんが自ら栽培しているブドウ畑「上野園」の甲州だけを使ったシングル・ヴィンヤードの逸品。
2016 年ヴィンテージは、非常に恵まれた年となりました。 キュヴェ違いながらもどちらにも共通する “きいろの香り”、 柑橘を思わせる香りをお愉しみください。
DRINX限定セット 7,120円(税込)

シャトー・メルシャン 甲州きいろ香 2016

【産地】山梨県甲府市主体 【使用品種】甲州100%
【発酵】ステンレスタンク
【育成】ステンレスタンク(約3ヶ月)
【テイスティングノート】
淡い黄色。レモン、ライム、グレープフルーツなど柑橘系の果皮を連想させる香りに加え、かぼす、すだちのような和柑橘も感じ取れます。恵まれたミレジムとなった2016年を反映し、豊かな香りに加え、フレッシュな酸、ミネラル感、弾けるような微ガスを感じます。
【マリアージュ】
白身魚やタコやイカのお刺身、ハモやうなぎの白焼、天婦羅料理、水炊きや揚げ出し豆腐などと。

シャトー・メルシャン 甲州きいろ香 キュヴェ・ウエノ 2016

【産地】山梨県山梨市上野園 【使用品種】甲州100%
【発酵】ステンレスタンク
【育成】ステンレスタンク(約6ヶ月)
【テイスティングノート】
淡い黄色。グレープフルーツ、レモンのような柑橘系の香りに加え、かぼすやすだち、日向夏といった和柑橘の芳潤な香りが華やかに広がります。フレッシュで豊かな酸と、ミネラル感が口中に広がり、クリスピーな炭酸ガスと厚みのある味わいがバランスよく広がります。
【マリアージュ】
魚介類の刺身やカルパッチョ、シーフードサラダ、車海老の塩焼き、サザエのつぼ焼き、カボスなどの柑橘をかけていただく天婦羅料理とも非常によく合います。

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