新しいビールの火付け役クラフトビールとは?

2017.07.20

昨今、グルメなアルコール好きたちを魅了しているクラフトビール。首都圏を中心に専門店も増え続け、国内のメーカーも急増する需要に供給が追いつかない状況になるなど、その人気は年々高まりつつある。

クラフトビールとは

まずクラフトビールとは、小規模なビール醸造所(マイクロブルワリー)で職人が丁寧につくり上げたビールがはじまりとされている。磨き上げられた職人の技術によりつくられた高品質なビールを手工芸品(=クラフト)にたとえてこう呼ぶようになった。

アメリカのビール醸造者協会ブルワーズ・アソシエーションではクラフトビールメーカーとは、1.小規模である(年間生産量が600万バレルまで)、2.独立している、3.伝統的である(麦芽100%で醸造)という3つの条件を満たす会社であると定義している。

日本では、1994年にビールの酒税法が改正され、最低製造数量が2000キロリットルから60キロリットルへと大幅に規制緩和された。
これにより、たくさんのブルワリーが全国に誕生し、いわゆる「地ビール」ブームが巻き起こる。しかし、醸造技術が未熟であったことや品質に対して価格が高かったことが原因となり、ブームはすぐに終わってしまう。

しかし、それでも諦めずにビールづくりへの情熱を燃やし続けた少数のブルワリーは、醸造技術を向上させ、高品質なビールを生産できる体制を整え、国内はもとより世界でも愛されるブランドの確立に成功する。こうして現在のクラフトビールブームを牽引する国産のクラフトビールが製造されることとなった。

また最近では、大手メーカーが手掛ける商品や取り組みも見られ、ますます注目を集めている。一度にたくさんではなく、少なくても今の自分にとってより良いものを飲みたいという消費者ニーズを背景に、知る楽しさや選ぶ楽しさを教えてくれるクラフトビールはこれからも認知度を高めていくことだろう。

ビールを生み出す3つの発酵方法

そもそもビールは、発酵方法の違いや使用する麦芽によって様々なスタイルがあり、クラフトビールではその多様なスタイルを体験することができるのが人気の背景でもある。その3つの発酵方法と、代表的なビアスタイルの例を見てみよう。

『上面発酵ビール』
常温で短い期間で発酵させたビールで、発酵中に酵母が浮かび上がり、液面に酵母の層ができることからこのように呼ばれる。「エール・ビール」と総称され、ペールエール、スタウト、ヴァイツェンなどが該当する。

『下面発酵ビール』
低温で長い期間の発酵を行い、発酵が終わると酵母がタンクの底に沈降することからこのように呼ばれる。「ラガー・ビール」と総称され、ピルスナーなどがこのタイプに挙げられる。

『自然発酵ビール』
常温で自然界に存在する野生酵母で発酵させたビール。ベルギーの伝統的なビール「ランビック」が有名だ。

『ピルスナー』
世界中で醸造されるビールの大半を占めるビアスタイル。チェコのピルゼンで誕生したのが名前の由来。ホップの香りがよく、喉ごしも爽やか。スタンダードな黄金色のビールを思い浮かべてもらうとわかりやすい。

『ヴァイツェン』
小麦からつくられたビール。フルーティな香りと苦みのなさで多くのファンを獲得している。豊かな泡立ちも特徴で、英語ではウィートビールとも呼ばれている。

『ペールエール』
上面発酵酵母による豊かな香り、ホップ由来のアロマと苦み、モルトの甘みがバランス良く調和したビール。ピルスナーと比べると、しっかりとした苦みと濃さが感じられる。

『IPA』
ホップをたっぷりと使用し、アルコール度数は通常よりもやや高め。ホップ由来の個性的な香りや苦みが楽しめる。グレープフルーツなどの柑橘類のほか、ハーブのような香りが楽しめるものが多い。今、もっとも人気のあるスタイルのひとつだ。

『スタウト』
黒ビールでお馴染み。麦芽の香ばしい風味が持ち味でクリーミーな泡が心地よい。ローストした麦芽を使用している。

『フルーツビール』
その名の通り、フルーツの旨味がとけ込んだビール。リンゴや桃などフルーツを麦汁に漬け込んだり、果汁を加えてつくるビール。ビールが苦手な人にでも飲みやすい。

『バーレーワイン』
直訳すると「麦のワイン」。ワインに近い高濃度アルコールで、ビールとは思えない熟成香がある。濃厚な味わいはシメに最適。

まずはいろいろ飲み比べ、自分の好みのビールを見つけてみよう。メーカーもバリエーションも豊富なクラフトビールの世界に足を一歩踏み込めば、あなたもその虜になるに違いない。

文=CRAFT TIMES編集部

オススメの商品