ワインと味わう、日本。「北信・上田」篇

2018.05.10

南北に長く広がり、地域に根ざした四季折々の食材や料理に溢れる、豊かな食文化を持つ日本。2013年に和食がユネスコ無形文化遺産として登録され和食ブームが続く中、純国産の “日本ワイン” もまた、世界で注目を集めています。シャトー・メルシャンでは、その土地の気候・風土・生産者によって育まれるブドウを素直に表現し、その土地ならではの個性的な日本ワインをつくっています。そんな地域色溢れるワインと、同じ空気や水で育まれた地元食材のマリアージュを追求してお届けする「ワインと味わう、日本」。第2弾は長野県の北信地区と上田市です。

<長野県北信地区>日本のあわ 長野シャルドネ

長野県北部の北信地区(須坂市、高山村、長野市)は、千曲川を挟んで左岸、右岸にブドウ畑が点在しているブドウの名産地。信州リンゴの産地でもあり日本では涼しい気候のエリアであるものの、フランスのシャブリやシャンパーニュに比べるとずっと暖かい環境です。そんな北信地区で1980年代から栽培が始まったシャルドネは、砂礫質の右岸からは深みと力強さ、粘土質の左岸からはトロピカルな華やかさをワインに与えます。
この北信地区のシャルドネを始めとした長野県のシャルドネを使用し、柑橘系の香りとアーモンド、ナッツ、ヴァニラ、バターのようなオーク樽由来の香りとがバランスよく調和した「日本のあわ 長野シャルドネ」。爽やかさのある酸味とミネラル感が、きめ細やかな泡立ちとともに口の中で広がります。

北信地区は今や有名なシャルドネの産地ですが、ここ信州で、古くから特産品として有名なのが野沢菜です。
3,000メートル級の山々が立ち並ぶ起伏に富んだ土地、美しい空気と水、比較的冷涼な気候から生み出される質の高い農作物であり、信州地域全般で栽培される、長野県民伝統の味。

そんな2つの特産品のマリアージュを愉しめる料理をご紹介します。

漬物や天ぷら、おやきなど、さまざまな楽しみ方がある野沢菜ですが、今回はパスタの材料として使ってみました。
どんな料理とも相性のよさを発揮する「日本のあわ 長野シャルドネ」のバランス感を活かし、山の幸と海の幸を掛け合わせた、オイルソースで仕上げる野沢菜と桜海老のパスタです。

野沢菜の漬物に今が旬の桜海老を合わせました。パスタにすることで塩味や潮味が目立ちすぎることなく、バランスのよい一皿になります。その調和されたミネラル感を、オイルソースが潤いのある食感にして口の中へ運んでくれ、食材それぞれが持つおいしさをストレートに味わえます。

野沢菜のパスタの味わいに合わせる「日本のあわ 長野シャルドネ」は、酸味の強すぎないワイン。パスタの野沢菜や桜海老、そしてワイン、ぞれぞれが持つ爽やかな酸味やミネラル感が、バランスのいいハーモニーを生み出します。

また、きめ細やかな泡立ちにより、口の中のパスタのオイルをスッキリとリセットしてくれます。パスタに添えられたゆずの香りも口の中で広がり、一層爽やかなマリアージュを愉しめます。

<長野県北信地区>長野シャルドネ アンウッデッド 2015

川を挟みブドウ畑が広がる千曲川流域の北信地区。千曲川の右岸は、鉄分の含有量が多く水捌けがよいのが特長の土壌。また、左岸の土壌は粘土質が強く、果実が凝縮して果実味が強いブドウを育んでいます。

この北信地区のシャルドネを、樽を使用しないで(=アンウッデッド)仕上げているのが「長野シャルドネ アンウッデッド 2015」。樽による香りや味の影響がない分、ブドウ本来の果実味がはっきり感じられるワインです。白桃を思わせる清々しい香りや、やわらかでやさしい口当たりとストレートな果実味は、ブドウ自体が持つポテンシャルをそのまま感じられる、まさに“アンウッデッド”ならではの味わいです。

この、しっかりとブドウの果実味を感じられるワインを味わうのに選んだのは、信州がブランド食材として開発に取り組み、新品種として生まれた「信州黄金軍鶏」です。お肉が黄金に輝く色をしたことからその名がついたと言われています。父鶏に軍鶏、母鶏に名古屋種を用いて、地鶏ならではの歯ごたえがある食感とジュワッと肉汁があふれる深い旨味、そして噛むほどに増す豊かな風味、と3拍子揃った鶏肉を使った料理と、「長野シャルドネ アンウッデッド 2015」の組み合わせをご紹介します。

淡白ながらも滋味深い軍鶏の味わいを引き出すため、一度そのままグリルした後に、香草を混ぜ合わせたパン粉をまぶしてオーブンで焼き上げることで風味を加える「軍鶏の香草パン粉焼き」はいかがでしょうか。

香草として用意するのは大葉。日本の食材、和のテイストにこだわったセレクトです。パン粉にはパルメザンチーズも混ぜ合わせて、風味を足すだけでなく口当たりのまろやかさも生み出します。
グリルする料理なので、グレービーソースなど味のしっかりとした重いソースを用意しがちなところ。しかし今回は、軍鶏の脂とソースが主張しあってしまわないよう、ソースは使わずに調理します。

軍鶏の肉から溢れる脂味の味わいと「長野シャルドネ アンウッデッド 2015」の持ち味である清々しい香りや果実味といったニュアンスは、あまり味付けを加えず調理することで、口の中でそれぞれの味を引き立て合います。

樽を使用しないで仕上げることで、シャルドネの味がストレートに表現される「長野シャルドネ アンウッデッド 2015」。その豊かな果実味は、白ワインでありながら、軍鶏の脂味によく合います。また、シャルドネの適度な酸味が脂をスッキリ切ってくれるため、香草焼きのボリュームを感じさせずに食が進むペアリングになっています。

<長野県上田市丸子地区>シャトー・メルシャン マリコ・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン 2014

北は菅平高原、南は美ケ原高原などの2,000メートル級の山々に囲まれ、緑溢れる森林・里山と清らかな水の流れる川に育まれた自然豊かな土地。その環境が生み出す気候がワイン用のブドウに適していると、長野県上田市丸子地区・陣場台地でのブドウ栽培が始まりました。
そして、“丸子”の古代名といわれる“椀子(マリコ)”から「椀子(マリコ)ヴィンヤード」と名付けられたこの畑で、メルシャンもブドウの栽培を開始したのです。

「マリコ・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン 2014」は、この畑で育てられたソーヴィニヨン・ブランを100%使用しています。柑橘系の香りやパッションフルーツのようなアロマに加え、ハーブやグラス(草)を思わせる爽やかな青味も感じられるワインです。

このワインに合わせるのは、「椀子ヴィンヤード」と同じ上田市、武石地区で育った大粒大豆でつくる「信州みそ」を使った料理です。
信州みそを活かすもうひとつの食材として使うのは、長野の豊かな自然から伝統的に培われてきた肥育業から育まれた「信州ポーク」。肉のキメが細かくて、加熱してもやわらかい上に、冷めても固くならず、あっさりとした味わいのこの豚肉。同郷のワインと味噌でいただきます。

やわらかな肉質とジューシーな旨味を持った信州ポークを、春キャベツ、長野産のリンゴとともに何層にも重ねて一緒に鍋で蒸し茹でるミルフィーユ仕立てに。そこに、信州みそでつくるソースを合わせます。
豚肉とキャベツは、一緒に茹でることで甘味が全体に広がります。さらに、リンゴも加えることで生まれるフルーティさにより、三層の甘味を表現。香りづけで「マリコ・ヴィンヤード ソーヴィニヨン・ブラン 2014」を少々足すことで、ワインとの相性もさらに整います。

甘味が浸透したリンゴとキメの細かい信州ポーク、そして春キャベツ。どれもホロリとやわらかい食感でまとまり、噛むほどにぎゅっとおいしさの詰まった汁が溢れます。
それぞれの食材から染み出した旨味と甘味がたっぷりの茹で汁は、信州みそに加えて伸ばし、すりおろした生姜も加えてソースにします。そうすることで、辛口の信州みそがマイルドになり、ミルフィーユの甘味をうまくまとめてくれます。

「椀子ヴィンヤード」で育まれたソーヴィニヨン・ブランのフルーティなニュアンスやハーブ香に、土壌が生みだすスパイシーさが、信州ポークのさっぱりした味わいや甘味や旨味を引き立てます。
ソースとして全体をまとめる信州みそも加わり、同じ信州を産地とした材料が生みだす一体感に、豊かな自然を感じる、深い味わいのペアリングとなります。

同じ産地の日本ワイン×食材だから生まれるハーモニー

その土地の気候・風土・生産者によって育まれるブドウ。そのブドウの特長を素直に表現し、その土地ならではの個性を追及している、シャトー・メルシャンのワイン。
そんなブドウの個性が活きた日本ワインと、同じ土地に根ざした食材とのマリアージュを愉しんでみてはいかがでしょうか。

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