豊穣の秋、日本ワインの秋。マスカット・ベーリーAを味わい尽くす。

2016.09.01

世界がスポーツに熱狂した暑い夏をこえて、いよいよ豊穣の秋、収穫の季節が到来しました。ワインの造り手にとっては、これからが一年の内で最も熱くなる季節。そして日本ワインはこれから、滋味溢れる食材が出そろう“味覚の宝庫”とも言える季節を迎えます。そこで今月は、日本の秋の食卓をより一層おいしく彩る、日本固有のブドウ品種「マスカット・ベーリーA」を大特集。ワイン造り一筋40年、日本ワインの品質向上とともに歩み続けてきた男。上野昇のスペシャルインタビューと共にお愉しみください。

日本ワインとともに40年。上野昇「マスカット・ベーリーA」のワイン造りを語る。

Noburo Ueno 1975(昭和50)年3月、東京教育大学農学部を卒業後、現在のメルシャンの前身である三楽オーシャンに入社。
栽培技術者としてメルシャン勝沼ワイナリーに配属されて以来、2015年メルシャン退社に至るまでの40年間、ブドウの栽培からワインの醸造に至るまで、ワイン造り一筋に歩み続けてきた上野昇さん。
その間、ブルガリアに醸造指導に出かけたり、格式の高い「リュブリアーナ国際ワインコンクール」の審査員に任命されたり、また「山梨県ワイン酒造組合」の会長を務めたりと、国内外を問わず、さらに企業の枠もこえて、彼はその人生をワイン造りに捧げてきたといっても過言ではありません。
常にワイン造りの最前線に立ち、日本ワインの品質向上に努めてきた上野さんに、ワイン造りの変遷について、そして日本固有のブドウ品種「マスカット・ベーリーA」のワインについて聞いてみました。

ボルドースタイルの「赤」を目指していた草創期。

私が入社した70年代は、赤ワインと言えばとにかくフランスのボルドーがお手本でした。
いわゆる肉にも負けないしっかりした味わいの赤ワイン。じっくり樽で寝かせて、力強く凝縮味に満ちたワインが良い赤ワインというイメージが一般的でした。そのためには、カベルネ・ソーヴィニヨンとか、メルローとか、ブドウ自体が力強い味わいをもつ欧州系品種が求められました。ところが雨の多い日本では、当時まだワイン用ブドウ栽培技術も発達していなかったこともあり、欧州系品種の生産量は極めて少なく、赤ワイン用のブドウとしては、日本の風土に適したマスカット・ベーリーAしかない、そんな状況でした。

しかし、マスカット・ベーリーAでボルドーのような力強い赤ワインをつくろうと試みても、香りは甘く、また味わいは泥くさく、ワインの本場欧州からは“こんなのはワインではない!”とまで酷評されるような有様で、一時はマスカット・ベーリーAを主体とするワイン造りを諦めようとする空気も漂っていたほどでした。事実、当時はできるだけ多くの欧州系品種を栽培することに懸命で、マスカット・ベーリーAをブレンド用の脇役として使っていたこともあったと思います。

ボージョレ・ヌーヴォーが日本の赤ワイン造りの転機に。

そうした日本の赤ワイン造りの大きな転機の一つになったのが、1970年代に世界的なブームを巻き起こした「ボージョレ・ヌーヴォー」でした。フランス・ブルゴーニュ地区の南端に位置するボージョレの新酒、ボージョレ・ヌーヴォーは、フレッシュでフルーティな赤ワインの存在を世界中に知らしめました。当時若かった私も“こんな赤ワインもあるのか!”と、驚きとともに新鮮なインパクトを受けた記憶があります。

その造り方を調べてみると、一般的なワイン造りではブドウは発酵の前に破砕するのですが、ボージョレ・ヌーヴォーの場合、収穫したブドウの房をそのままタンクに入れて発酵させる[マセラシオン・カルボニック]製法で造られていました。房のままタンクに入れることにより、ブドウの重さで自然にブドウが潰れ、果汁が流れ出てそのまま発酵が始まります。また皮からは色素とともに、ブドウが本来もつ多様な味わいが溶け出し、タンニンの少ない透明感のあるきれいなルビー色のワインに仕上がるのです。フレッシュでフルーティなボージョレ・ヌーヴォーは、これまで樽でじっくり熟成させた力強い赤ワインを良しとする、それまでの常識に一石を投じました。

フレッシュでフルーティ、チャーミングな日本ワインを。

そこで私たちも、ボージョレ・ヌーヴォーの製法にならってマスカット・ベーリーAのワイン造りにチャレンジしました。もちろんすぐに成功するほどワイン造りは甘くはありません。しかし、さまざまな試行錯誤を重ねることにより、マスカット・ベーリーAの可能性が大きく広がったことに疑いの余地はありません。重く、どっしりした赤ワインから、フレッシュでフルーティな赤ワインへ。こうしてマスカット・ベーリーAが目指すべき、日本独自の赤ワインづくりへの道が開けたのが、70年代後半から80年代にかけてのことでした。

ボージョレ・ヌーヴォーはまた、ブドウの栽培法にも影響を与えました。マスカット・ベーリーAはしっかり完熟させること、その重要さに気づかせてくれたのです。マスカット・ベーリーAはその特徴として、未熟なものほど泥くさく感じられ、完熟させればさせるほど、フルーティ、そしてチャーミングな赤ワインになることが分かりました。シャトー・メルシャンでは、1960年代からブドウ農家との契約栽培をスタートしましたが、マスカット・ベーリーAの栽培法や収穫のタイミングを農家の方々にも徹底し、80年代に入ってブドウ自体の品質も著しく向上してきたのです。その意味ではまさに、1980年代が日本ワインの大きな転機だったと言えるかもしれません。因みに、シャトー・メルシャンが日本で新酒づくりを始めたのも、ちょうどこの頃のことでした。1990年代からは熟度の高い良質なマスカット・ベーリーAが数多く収穫されるようになり、ようやく本格的なマスカット・ベーリーAのワインづくりは軌道に乗ってきました。

日本ワイン、世界へ羽ばたく。

“はじめにブドウありき”。シャトー・メルシャンのワイン造りの哲学ともいえる言葉ですが、こうした経験を糧に、私たちはようやく日本ワインならではの繊細な味わいを追求する道を歩み始めたのです。“Growing Differences in the World 〜 違いを育む”。世界を知り、日本の個性を育てること。私たちのワイン造りのコンセプトも、こうしたプロセスを経てより鮮明になってきました。

21世紀に入ってからは、世界的な健康志向・自然志向意識の高まりも追い風となって、何よりも素材を大切にする「和食」が世界から注目を集め、日本の食文化とともに日本ワインへの注目度も徐々に高まるようになりました。そして今はまさに、世界の食の嗜好が日本ワインにフィットしてきた時代ではないかと感じています。

マスカット・ベーリーAの最大の魅力は、上品な香りと、タンニンの少ないやわらかい味わいにあります。樽を控えめにすればフレッシュでチャーミングな果実味を、樽にしっかり寝かせて育成させればヴァニラのような甘やかでエレガントな味わいを感じさせてくれる。まさに素材を活かした現代の料理には最適の、とても心地よいワインだと思います。

こうして私たちが時間をかけて造り上げてきた日本固有の「マスカット・ベーリーA」のワイン。そんな中から今回は、さらに個性の異なる3本を私なりにセレクトさせていただきました。きのこや魚介など、これから旬を迎える日本の豊富な食材とともに、“ニッポンのおいしさ”を味わい尽くしていただければ幸いです。

上野 昇 Noboru Ueno

1950年生まれ。1975年東京教育大学農学部卒業後、メルシャンの前身である三楽オーシャン入社。栽培技術者として勝沼ワイナリーに配属。桔梗ケ原でメルローの栽培指導などを手がける/1982年から3年連続でブルガリアに醸造指導へ。世界のワイン造りを体験/1991年「リュブリアーナ国際ワインコンクール」審査員/1992年 勝沼ワイナリー(現 シャトー・メルシャン)工場長/2000年 山梨県ワイン酒造組合会長/2006年 工場長を退任、ワイン資料館長に/2007年 山梨大学非常勤講師/2010年 甲州市原産地呼称ワイン認証審査会書類等審査部長/2012年 山梨県政功績者表彰/現在、シャトー・メルシャン ビジターセンターに勤務。
現在も自らブドウ栽培を手がける畑をもち、厳選されたブドウで仕込まれたワインは「キュヴェ・ウエノ」としてシャトー・メルシャンで商品化され、ワイナリーのみで限定販売されている。ワイン造りにかける情熱は入社以来41年間まったく衰えることはない。シャトー・メルシャンの、そして日本ワインの生き字引ともいえる存在である。

キノコや野菜などをたっぷり使ったすき焼き

チャーミングな果実味を愉しむ。『山梨マスカット・ベーリーA 2014』

山梨県で多く栽培されるマスカット・ベーリーA。今でこそ日本固有のワイン用ブドウ品種として知られる存在になりましたが、一昔前は主に生食用として栽培されていました。
ワイン用としての栽培が本格的になったのはようやく90年代後半からのことで、栽培方法の見直しなどによって、熟度の高いマスカット・ベーリーAが数多く収穫されるようになってきました。
『シャトー・メルシャン 山梨マスカット・ベーリーA 2014』は、山梨県産のマスカット・ベーリーAを使用し、程よい樽のニュアンスと甘美な果実の味わいがとてもバランスの良いワイン。一言でいえばチャーミング! 比較的軽めのミディアムボディで、どなたにも大変飲みやすい、基本のマスカット・ベーリーAとしてお薦めします。

醤油やみりんなどを使った和食の煮物とよく合いますが、秋なら特にキノコや野菜などをたっぷり使ったすき焼きなどと合わせるのもよいのではないでしょうか。甘みのあるワインの味わいが、同じく甘めに煮込まれたきのこや野菜としっくりおいしい秋のハーモニーを奏でるものと思います。この秋、ご家族や気の合う友だちとワイワイ鍋をつつきながら、気軽にお愉しみいただきたい一本です。

酢豚

しっかり樽のきいた熟成感を愉しむ。『穂坂マスカット・ベーリーA 2013』

甲州ブドウでもお馴染みの山梨県韮崎市穂坂地区。甲府盆地北西部の丘陵地で、標高が高く昼夜の温度差が大きいため、熟度が高く酸味のしっかりしたマスカット・ベーリーAが収穫されます。特に穂坂地区のマスカット・ベーリーAは樹齢も15年くらいで、今が最も良い時期と言える畑が多く、栽培家の立場からも自信をもってお薦めできます。

『シャトー・メルシャン 穂坂マスカット・ベーリーA 2013』はフルボディ。オーク樽で約24ヶ月、2年間じっくり時間をかけて育成され、今まさに目覚めたばかりとも言える新しいヴィンテージです。熟度の高い穂坂地区のブドウの個性が、樽育成によってより一層際立ち、長期熟成にも耐えうるワインに仕上がっています。

この堂々たる味わいには、タレをつけた焼き鳥や、地鶏の照り焼き、肉じゃがなどの煮物がよく合いますが、ここでは敢えて、酢豚とのマリアージュをお薦めしたいと思います。穂坂のマスカット・ベーリーAがもつ、果実の甘い凝縮感と力強い酸味が、酢豚のような甘酢のあんにもよく合うと思います。フワッとひろがる樽由来の甘やかな熟成香が、幸せな余韻で包んでくれる逸品です。

最高級のピノ・ノワールにも似た華やぎを愉しむ。『穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィンヤーズ  2014』

バターをたっぷりきかせた秋鮭のホイル焼き

山梨県韮崎市穂坂地区の中でも、特に良質なブドウが収穫される区画の中から、厳選された2〜3カ所の畑のブドウを主体に造られた『シャトー・メルシャン 穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィンヤーズ 2014』。生産量が極めて少なく、ワイナリーでしか手に入らないこの稀少なワインは、何と言ってもその華やかな香りを実感していただきたいと思います。

絹のようになめらかなテクスチャーが特徴的で、プルーンのような黒い果実の香りとともに、ハーブのようなニュアンスも。熟したブドウに由来する甘く優美な果実味が感じられ、長い余韻とともに樽由来のアーモンド、ヴァニラ、バター、ミルキーな味わいが、幾重にもお口の中で広がっていきます。
これはあくまでも私個人の見解ですが、しっかり樽香もきいたこのワインは、コルクをあけた瞬間、一瞬ブルゴーニュでも最高級のピノ・ノワールのワインと勘違いされる方もいらっしゃるのではないかと思います。それほど華やぎに満ちた存在感のあるワインです。

この華やかなワインには、クリームシチューなどがよく合いますが、この季節ならバターをたっぷりきかせた秋鮭のホイル焼きなども良いのではないでしょうか。一般的に白ワインと合わせる料理だと思われがちですが、日本ワイン独自の繊細さも持ち合わせたマスカット・ベーリーAには、秋鮭のような脂ののった旬の魚もしっかりマッチすると思います。
最後にマスカット・ベーリーAを味わい尽くすなら、ぜひピノ・ノワール用のブルゴーニュグラスをお薦めしたいです。

ワインを愉しむ基礎知識

【ワインを愉しむ基礎知識】 昭和の幕開けとともに産声を上げた日本固有品種「マスカット・ベーリーA」

2010年に日本固有品種として「甲州」がO.I.V.(国際ブドウ・ブドウ酒機構)に登録認証され、続いて2013年に登録されたのが「マスカット・ベーリーA」です。その誕生の歴史は、昭和初期(2年)にまで遡ります。
“日本のワインの父”とも称される川上善兵衛が、欧州系の「マスカット・ハンブルグ」と病気に強いアメリカ系の「ベーリー」の交配によって生み出したマスカット・ベーリーA。雨の多い日本の風土でも病気になりにくいブドウとして日本に普及していきました。当初は、生食用と醸造用のどちらにも使われる品種であったため、ワイン専用品種よりも劣るという認識をもたれていた時代が長くありましたが、栽培方法の改良が重ねられ、熟度の高いブドウが収穫されるようになり、徐々にワイン用のブドウとして注目されるようになってきました。現在では赤ワイン用ブドウ品種として、国内第1位の生産量を占めるに至っています。

“豊穣の秋を味わい尽くす”。上野昇が選んだマスカット・ベーリーA/個性を愉しむ3本。

  • 1 シャトー・メルシャン 山梨マスカット・ベーリーA 2014

    【産地】山梨県
    【使用品種】マスカット・ベーリーA
    【発酵】ステンレスタンク
    【育成】オーク樽またはステンレスタンク育成
    【テイスティングノート】
    やや深みのある赤紫色。
    ストロベリー、ラズベリーのような赤い果実、綿菓子、キャンディーのような甘い香りに加え、樽育成由来のヴァニラ、アーモンドのニュアンスも見え隠れします。
    口中、適度な酸味と穏やかなタンニンを感じ、ミルキーな甘い味わいとのバランスがとても心地よい仕上がりです。
    【マリアージュ】
    みりんなどの甘い調味料を用いる肉じゃがや煮物、チキンの照り焼きや酢豚などとよく合います。

  • 2 シャトー・メルシャン 穂坂マスカット・ベーリーA 2013

    【産地】山梨県韮崎市穂坂地区
    【使用品種】マスカット・ベーリーA 100%
    【発酵】ステンレスタンク
    【育成】オーク樽育成 約24ヶ月
    【テイスティングノート】
    紫色。
    チェリー、イチゴのような赤い果実の香りと綿あめ、キャンディーのような甘い香りとがバランスよく立ち上がり、樽由来の甘いヴァニラ香が全体を包み込みます。
    やさしくシルキーな口当たりの余韻とともに樽育成由来のアーモンド、ヴァニラ、バターとミルキーな味わいが複雑に口中に広がります。
    【マリアージュ】
    焼き鳥(タレ)や鶏肉の照り焼き、ミートソースのパスタ、肉じゃがなどとよく合います。

  • 3 シャトー・メルシャン 穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィンヤーズ 2014[ワイナリー限定]

    【産地】山梨県韮崎市穂坂地区
    【使用品種】マスカット・ベーリーA 100%
    【発酵】ステンレスタンク
    【育成】オーク樽育成 約17ヶ月
    【テイスティングノート】
    濃い紫色。
    プルーンのような黒い果実の香りとともに、ハーブのようなニュアンスも感じ取れます。
    また、熟したマスカット・ベーリーAに由来する甘く優美な果実味を感じ、長い余韻とともに樽育成由来のアーモンド、ヴァニラ、バター、ミルキーな味わいが複雑に口中に広がります。
    【マリアージュ】
    しょうゆやみりんを使った家庭料理。タレをつけた焼き鳥、地鶏の照り焼き、肉じゃがや筑前煮のような煮物などとよく合います。

日本ワインとともに40年。上野昇「マスカット・ベーリーA」のワイン造りを語る。

1975(昭和50)年3月、東京教育大学農学部を卒業後、現在のメルシャンの前身である三楽オーシャンに入社。
栽培技術者としてメルシャン勝沼ワイナリーに配属されて以来、2015年メルシャン退社に至るまでの40年間、ブドウの栽培からワインの醸造に至るまで、ワイン造り一筋に歩み続けてきた上野昇さん。
その間、ブルガリアに醸造指導に出かけたり、格式の高い「リュブリアーナ国際ワインコンクール」の審査員に任命されたり、また「山梨県ワイン酒造組合」の会長を務めたりと、国内外を問わず、さらに企業の枠もこえて、彼はその人生をワイン造りに捧げてきたといっても過言ではありません。
常にワイン造りの最前線に立ち、日本ワインの品質向上に努めてきた上野さんに、ワイン造りの変遷について、そして日本固有のブドウ品種「マスカット・ベーリーA」のワインについて聞いてみました。

ボルドースタイルの「赤」を目指していた草創期。

ボージョレ・ヌーヴォーが日本の赤ワイン造りの転機に。

フレッシュでフルーティ、チャーミングな日本ワインを。

日本ワイン、世界へ羽ばたく。

チャーミングな果実味を愉しむ。『山梨マスカット・ベーリーA 2014』

しっかり樽のきいた熟成感を愉しむ。『穂坂マスカット・ベーリーA 2013』

最高級のピノ・ノワールにも似た華やぎを愉しむ。『穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィンヤーズ  2014』

ワインを愉しむ基礎知識

【ワインを愉しむ基礎知識】
昭和の幕開けとともに産声を上げた日本固有品種
「マスカット・ベーリーA」

2010年に日本固有品種として「甲州」がO.I.V.(国際ブドウ・ブドウ酒機構)に登録認証され、続いて2013年に登録されたのが「マスカット・ベーリーA」です。その誕生の歴史は、昭和初期(2年)にまで遡ります。
“日本のワインの父”とも称される川上善兵衛が、欧州系の「マスカット・ハンブルグ」と病気に強いアメリカ系の「ベーリー」の交配によって生み出したマスカット・ベーリーA。雨の多い日本の風土でも病気になりにくいブドウとして日本に普及していきました。当初は、生食用と醸造用のどちらにも使われる品種であったため、ワイン専用品種よりも劣るという認識をもたれていた時代が長くありましたが、栽培方法の改良が重ねられ、熟度の高いブドウが収穫されるようになり、徐々にワイン用のブドウとして注目されるようになってきました。現在では赤ワイン用ブドウ品種として、国内第1位の生産量を占めるに至っています。

豊穣の秋を味わい尽くす”。上野昇が選んだマスカット・ベーリーA/個性を愉しむ3本。

  • 1 シャトー・メルシャン 山梨マスカット・ベーリーA 2014

  • 2 シャトー・メルシャン 穂坂マスカット・ベーリーA 2013

  • 3 シャトー・メルシャン 穂坂マスカット・ベーリーA セレクテッド・ヴィンヤーズ 2014[ワイナリー限定]